虚弱体質から筋肉女子へ。あこがれたのは「でかくて美しい体」【ブラマジ田中(前編)】




SNSで人気を博している筋肉女子・ブラマジ田中さん。「今日もおつトレィ」という決まり文句とともに投稿される筋トレ風景や、ユーモア溢れるキャラクターが印象的だ。本人曰く「素の自分」で発信を楽しんでいるという彼女だが、トレーニングと出会うまではさまざまな葛藤があったと振り返る。そこで今回はブラマジさんの歩みや、筋トレがもたらした変化について話を聞いた。前編は、以前の自分や筋トレとの出会いについて。

ブラマジ田中=ありのままの自分

――多くの筋肉女子がSNSで発信する中でも、ブラマジさんは「おつトレィ」という決まり文句やコーラを1日1.5L飲んでいるなど、個性豊かな発信が印象的です。投稿内容はどうやって考えるのでしょうか。

「考えているというか、素の自分という感じですね(笑)。『おつトレィ』はいつ思いついたのか覚えていないんですけど、基本的に普段のノリなんです。コーラも高校時代から毎日1.5リットル以上飲んでいましたし、ブラマジ田中というネーミングも、大好きな漫画・遊戯王のキャラクターから取っています。自分の好きなものを当てはめていたら、今の形の発信になりました」

――キャラクターづくりではなく素の自分だったのですね。

「そうなんです。ただ昔からずっと素でいられたわけではなくて、筋トレを始めて精神的に変わった部分が大きかったと思います」

”大きくて美しい体”を目指してトレーニングに励むブラマジさん

――筋トレを始める前は、どのような自分だったのでしょうか。

「何に対しても中途半端で、がんばりきれない自分だったと思います。自分の体にも自信がなくて、本来の体型と違う華奢なボディにあこがれたりしていました」

――心身ともに自信がなかったと。

「はい。物事をがんばりきれないのが、自信のなさにつながっていました。振り返ると小・中学校ではバスケ部でしたが、あまり練習に参加せず……。高校ではがんばりたくないという理由でマネージャーを選びました。しかも友達には『遊びを優先にさせてほしい』と伝えていたので、ほとんど部活に行っていなかったです」

ターニングポイントはジムでの出会い

――何かひとつのことをやり切れないと、たしかに自信はつかないですよね。

「本当にその通りです。自信のなさや体が弱かったこともあって、仕事に就いてからもなかなか続けることが難しくて……。工場勤務やアパレル店員、医療事務などを転々とする日々を送っていました」

――健康面でも悩まれていたのですね。

「はい。基本的に体が弱かったですね。筋トレを始めてから、やっと少し体が強くなりました。高校時代も休みがちでしたし、社会人になってからも体調を崩すことが多かったです。そうすると職場に行きづらくなりますし、そういった理由でやめてしまったこともありました」

――そんな日々から今に至るまで、ターニングポイントはありましたか。

「仕事を転々とする中で、ようやく落ち着いたのが2019年から始めたフィットネスジムの受付の仕事でした。そこで筋トレを始めてから、物事を継続できるようになったんです。筋トレでひとつのことを続ける経験ができたので、何に対しても以前よりがんばれるようになりました」

――ジムで働き始めたことが、筋トレのルーツだったのですね。

「はい。そこから人生が変わりましたね。お客様で陸上をやっている女性の方がいたのですが、その方の体がでかくてキレイで『筋肉って美しいんだ』と感じました。そこからは大きな体にあこがれて、より筋トレに励むようになりました。筋肉があるのに女性らしいというのは自分の中で衝撃的でした」


ブラマジ田中
SNSでトレーニング風景・独自企画を発信する筋トレ女子。ユーモア豊かな投稿と、鍛え上げられた肉体で人気を博している。2022年にはFWJでコンテストデビューもはたした。

取材・文/森本雄大
写真提供/ブラマジ田中