筋トレの“裏メニュー”は変えられない部分を認めていくこと【岡部友の尻トレ最先端#2】




SPICE UP FITNESSの代表を務める美尻トレーナーの岡部友さん。前回は、女性の筋トレは美ボディづくりや機能改善に大きな効果があると伺いました。岡部さんがさらに大切にしているのは、筋トレによって心にいい影響を与えること。今回は筋トレ指導の裏にある岡部さんの思いに迫りました。

いくらトレーニングをしても、変えられない部分は存在する

――筋トレは美しい体づくりや機能改善に力を発揮すると伺いました。精神面においても、トレーニングはいい影響を及ぼすのでしょうか。

「かなり好影響があると思います。筋トレをすることは努力して体を変えるという経験だからです。とはいえ筋トレで体が変わる過程でも、人によってこの部位の筋肉がつきやすい、骨格的にここはつかないなどの要素があります。体を変えていくと同時に、変えられない部分を認めていくことが、筋トレの“裏メニュー”だと私は思っています」

――たしかに変えられない部分に悩むのは、精神的にもよくないですよね。

「自分は自分でいいと認めることが、健康的なトレーニングの秘訣だと思います。人と比べて変化が速い遅いですごい努力をして『変わらない』と嘆くことはヘルシーではないですよね。この点に気づけるかどうかが、豊かな心のポイントになります」

――メンタルを強くするという意味でも、筋トレは効果がありますか。

「トレーニングは限界を超えていく作業なので、おのずとメンタルが強くなると思います。とはいえ限界に近い負荷を自分でかけることは簡単ではないので、自分と向き合う姿勢が必要だと思います」

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――トレーニングを通じて自分と向き合っていくと。

「はい。自己流で鍛えていると、ジムに行くことで満足したり、考えたメニューを消化して満足してしまうことが多いですよね。ただ、そこで追い込む力をつけることが大切になってきます。ケガには十分注意する必要がありますが、最後の1回ができるかできないかのラインに挑戦することは、日常生活で困難を乗り越える練習になると思います」

――たしかに限界を超える経験は、日常生活でなかなかできないと思います。

「物理的に『もう無理かも』と思うことに挑戦するわけですから、やり切る力が身についていきます。その強さを身につけることも、筋トレにおける重要な要素だと思います。学生時代に厳しい環境にいると、社会に出てからもストレス耐性があったりしますよね。それと同じで、筋トレで自分に負荷をかけることで、強い心をつくることができると思います」

(第3回に続く)

取材・文/森本雄大
写真提供/SPICE UP FITNESS


岡部友(おかべ・とも)
1985年12月6日、横浜市生まれ。株式会社ヴィーナスジャパン代表取締役。高校卒業後、アメリカで運動生理学、解剖学を学び、フロリダ大学在学中に、プロアスリートに指導できるスポーツトレーナーが保持するNSCA-CSCSの資格を取得。帰国後、女性専門パーソナルトレーナーを経て、2016年3月に女性専用のフリーウエイトジム「SPICE UP FITNESS」を東京・南青山にオープン。2023年現在は5店舗を構えている。“美尻のカリスマ”として女性を中心に絶大な支持を集める。