「効果が出ない、対処法がわからない……」。手軽に筋トレができる現代だからこそ、自己流のトレーニングでは壁に直面することもあるでしょう。そこで本企画では、そんなリアルな悩みを“美尻のカリスマ”こと岡部友さんに伺っていきます。まずは、お尻を鍛えても効果が出ない場合について。
トレーニング種目と効かせ方の見直しを
食事に気をつけた上で、週2～3回のウエイトトレーニングを2ヵ月やって変わらなければ、やり方が間違っている可能性が高いですね。
ビギナーズラックと言うと言い方が悪いですが、トレーニング初期は一番体が変わる時です。本来は大きな変化が見込めるので、この時期にあまりにも進展がなければ、問題解決をしたほうがいいと思います。
まず重要なのは、「目的に合った種目をチョイスできているか」という点です。大殿筋、中殿筋、小殿筋などターゲットの部位を決めて、そこにアプローチできる正しいエクササイズを選びましょう。たとえばクラムシェルは中殿筋を鍛える種目なので、大殿筋や小殿筋にはほぼ効きません。そういったレベルから見直してみましょう。
エクササイズのセレクションを修正したら、次は効かせ方です。ここで意識してほしいのは、「効かせたい筋肉に正しくアプローチできているか」という点です。お尻に効かせたいのに前ももに効いているようであれば、それは負荷が逃げてしまっています。スクワットなど複数の筋肉を使う種目は効かせることが難しいので、ピンポイントで効かせるにためにはヒップスラストなど単関節動作のエクササイズから取り入れるといいかもしれません。
こういった負荷を逃がさない工夫はもちろんのこと、自分で100％の力を出して鍛えることができているかも重要です。
自分で100％の力を出しているつもりでも、プロのトレーナーから見ると30％の力しか出せていないことが往々にしてあります。それはある意味当然で、人間の体は無理をしすぎてケガをしないように、限界に近い力を出そうとすると無意識にブレーキがかかるようになっています。
Maxのパワーを出す力も、トレーニングを通じて培っていくものです。まずは外から見てもらってエクササイズフォームを修正して、正しく力を発揮する土台をつくりましょう。そこからは限界に挑むことを繰り返して、徐々にリミッターを広げるといいと思います。
エクササイズそのものが上手くなり、力を最大限まで出す能力を鍛えてはじめて、筋トレで効率よく体を変えることができます。自分ひとりでトレーニングしている場合は追い込みが難しいので、力を出し切れていない可能性も十分あると思います。
トレーニングの効果が実感できない方は、本当に鍛えるべき部位が合っているか、ターゲットへのアプローチが合っているかをもう一度見直してみてください。
取材・文/森本雄大
写真提供/SPICE UP FITNESS
岡部友（おかべ・とも）
1985年12月6日、横浜市生まれ。株式会社ヴィーナスジャパン代表取締役。高校卒業後、アメリカで運動生理学、解剖学を学び、フロリダ大学在学中に、プロアスリートに指導できるスポーツトレーナーが保持するNSCA-CSCSの資格を取得。帰国後、女性専門パーソナルトレーナーを経て、2016年3月に女性専用のフリーウエイトジム「SPICE UP FITNESS」を東京・南青山にオープン。2023年現在は5店舗を構えている。“美尻のカリスマ”として女性を中心に絶大な支持を集める。
