女性にとって一般的なものとなりつつある筋トレ。岡部友さんが指導するSPICE UP FITNESSでは女性向けにトレーニングを教えていますが、すべての人がジムに通えるわけではありません。そこで岡部さんは「誰もがトレーニングを学べるサービスをつくりたい」と考え、Webサービス「SPICE UP SCHOOL」を2020年にスタートさせました。ここでは同サービスの内容や、指導における岡部さんの思いについて聞きました。
体づくりの根幹を学べる学校のようなサービス
――誰もがトレーニングを学べる環境は大切なテーマだと思います。SPICE UP SCHOOLでは、トレーニング動画の配信やコミュニティ機能など、サポ―ト体制が整っていますね。
「ひとりでトレーニングするには、トレーナーがいない分、どうしても知るべき知識があります。お客様が自立して体を鍛えられるように、主にトレーニングと食事管理についてお伝えするのがこのサービスの目的です」
――ひとりで鍛えるとなると、知識がないと失敗してしまいますね。
「そうなんです。やるべきメニューはわかっても、ポイントがわからないと効果が半減したり、最悪ケガをしてしまったりすることにもつながります。本サービスでは各エクササイズを解説付き動画でまとめているので、重要な点を意識してもらえると思います」
――動画で解説しているトレーニングのポイントとは?
「たとえばブルガリアンスクワットなら、しゃがむ時に何を考えて、上がる時にどう筋肉を意識するかなど、詳細な解説を提供しています。メニューとセット数の紹介だけでなく、どういった意図でトレーニングの動きを行なうのかも伝えているので、トレーニングの根本を知ることができると思います」
――食事においてはどのような指導を行なっていますか。
「健康な体づくりのために摂るべきもの、避けるべきものを見分ける力を鍛えるようにしています。世の中は情報で溢れているので、食事における知識をつけることで、最終的に情報を取捨選択できるようになってほしいと考えています」
――体づくりの根幹となる知識を学べる、まさに学校のようなサービスですね。
「はい。トレーニングだけでなく、コンディショニングの情報も発信しているので、多くの方々の健康に貢献できればうれしいです。学校のようなコミュニティ機能も大切にしていて、質疑応答ができる掲示板や、会員同士で話せるグループチャット機能を設けています。更年期障害や尿漏れなど、女性同士だからこその悩みにも対応できるかと思います。ブログページでは私の普段の食事などにについても発信しています」
成功体験によって、自立した心を養ってほしい
――ここまでサポートがあれば、ジムに通えなくてもトレーニングできそうです。
「ありがとうございます。このサービスをつくるにあたり、『ジムに通えない方々をサポートしたい』というのと、『自立してトレーニングできる力をつけてほしい』という思いがありました。大切なのは正しい知識をもとに考え、動きや意識をトレーニングに反映させることです。それが正しくできれば、ひとりでトレーニングできますし、正しく筋肉に効かせられないなどの問題も解決できます」
――お客様に自立を促すことへの根幹となる思いは?
「一番はお客様に『自力で体を変えた』という成功体験を積んでほしいですね。その成功が自信になり、自立した強い心につながると私は考えています。その過程を全力でサポートすることで、お客様の心身をいい方向に導きたいというのが、私の根幹の思いです」
――SPICE UP SCHOOLの今後の展望を教えてください。
「今後はより広いニーズに対応できるよう、コンテンツを増やしたいと思っています。たとえばトレーニング初心者をもっとフォローしたり、腰痛など体の不調を抱えている人もサポートしたりできるコンテンツをつくりたいと思います。今は多少鍛えたことがある人向けのものが多く、体を動かせる前提で説明をしている部分があります。きめ細やかな情報提供で、より多くのお客様に体が変わる喜びを提供したいです」
取材・文/森本雄大
写真/保高幸子
写真提供/SPICE UP FITNESS
岡部友(おかべ・とも)
1985年12月6日、横浜市生まれ。株式会社ヴィーナスジャパン代表取締役。高校卒業後、アメリカで運動生理学、解剖学を学び、フロリダ大学在学中に、プロアスリートに指導できるスポーツトレーナーが保持するNSCA-CSCSの資格を取得。帰国後、女性専門パーソナルトレーナーを経て、2016年3月に女性専用のフリーウエイトジム「SPICE UP FITNESS」を東京・南青山にオープン。2023年現在は5店舗を構えている。“美尻のカリスマ”として女性を中心に絶大な支持を集める。