オタク女子はなぜ鍛えるのか!? 筋トレが紡ぐハッピーライフ




筋トレ=筋肉隆々なアスリート。かつてはストイックなイメージがあった筋トレも、今では街中に24時間ジムができるなど、誰もが気軽に鍛えられる時代になりました。

パフォ―マンスアップや研ぎ澄まされた肉体をつくるための筋トレから、人生を豊かにする筋トレへ――。そんなニーズの移り変わりをとくに感じたのが、トレーニングに打ち込むオタク女子の姿でした。

【フォト】キャラ顔負けのハイクオリティコスプレ。オタク女子・Machikaさんのアザーショット

トレーニングで趣味の満足度も向上

「コスプレ映えする体をつくるのはもちろん、体力の衰えも気になってトレーニングを始めました。15年前にコスプレを始めた時は、徹夜しても元気だったんですけど……(笑)」

そう話すのは、家庭教師と撮影スタジオ経営の傍らで、趣味のコスプレを楽しむMachika(マチカ)さん。平日は11時~22時で生徒を指導し、その前後にスタジオの業務を行なうという多忙な日々を送ります。その中でも彼女が愛してやまないのが、大好きなアニメキャラを体現する“コスプレ”です。

Machikaさんが経営する撮影スタジオ「マチスタ北小金」。より多くのコスプレイヤーに楽しんでもらうべく、今後さらなる発展を思案している

推しになりきって早15年。生徒の影響でアニメにはまり、その流れでコスプレの魅力の虜になりました。男性キャラが好きで“男装レイヤー”となったMachikaさんは、推しを表現する魅力をこう語ります。

「普段は女として生きていますけど、コスプレ中はそれを捨てることができます。衣装を着ている間は普段と違う体の動きもできますし、それが非日常感というか、楽しみになっていると思います。『もう一人の自分』になれる感覚ですね」

当時は体型維持が容易かつ、体力も底なしに充実していました。徹夜もいとわず衣装製作、イベント参加やコラボカフェ巡りなど、夢中でオタク文化を楽しんでいたMachikaさん。そんな“オタ活”の日々も、コロナ禍によって雲行きが怪しくなります。

「コロナ禍でオンライン授業が増えて外出しなくなり、その間に体重が一気に増えてしまいました。コスプレ衣装も着られなくなってきましたし、気づくと年齢のせいか体力も落ちていたので、これはまずいなと。そこで思い立ってジムに通うことにしました」

もう一度、健康的にコスプレやイベントを楽しみたい。そうして足を運んだのが、オタク女子向けのパーソナルトレーニングジム・Claraでした。同ジムはトレーナーも全員が生粋のオタクという珍しいジム。このような環境だからこそ、伝えられたニーズがあったとMachikaさんは言います。

オタク女子向けパーソナルトレーニングジム「Clara」の内観

「私のコスプレは男装がメインなので、女性的なボディラインにはなりたくないんです。肩幅を盛ったり、逆三角形っぽい上半身にしたり、お尻もむしろ小さくしたい。『コスプレのために鍛えたい』とは、普通のトレーナーさんには伝えづらいですよね」

通常なら疑問符が浮かぶ要望も、Claraではしっかり受け取めてもらえました。漠然とした要望から必要なトレーニングが導き出され、目指す体に近づくことがきたのです。彼女いわく体型の変化はもちろん、食事や私生活の改善にも大きな効果があったとのことです。

「1ヶ月間、自分の食べたものをすべて記録するなど、かなり徹底した食事指導をしてもらっていました。体型の改善はもちろん、体力が上がって疲れにくくなりましたね。それから、朝のトレーニング習慣ができたので、生活リズムが整って健康的になりました」

求める体に近づけただけでなく、健康的な私生活のベースになったトレーニング。ジム通いを起点に、Machikaさんの幸せのサイクルが回り始めました。

「トレーニングで体が変わったのはもちろん、気持ちも明るくなって、早起きするなど健康的な習慣ができました。運動は苦手でしたが、少しづつ継続して自信もつきました。鍛え始めてよかったですし、これからも続けていきたいと思います」

趣味を楽しめる「映える体」と「健康」がほしい――。オタク女子の願いに、筋トレは一筋の光をもたらしました。誰もがトレーニングできる時代の到来は、より多くの人々に幸福をもたらすかもしれません。

◆次回はオタク女子・Machikaさんのトレーニングに密着しました

取材・文/森本雄大
写真提供/Machi Studio Group
企画協力/パーソナルトレーニングジムClara

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