ボディメイクのみならず、健康のためにジムに行く人も増え、成長を続けているフィットネス業界。近年はトレーニングを題材としたマンガや小説も出版されるなど、オタク文化にもフィットネスブームが訪れています。そんな中、VITUP!編集部ではSNSで話題になっていた『筋肉童話』なるマンガを発見。今回は、そんな筋肉童話の中から3話をピックアップして、作者の赤信号わたるさんのコメントとともにご紹介します。
【イラスト集】すべてを筋肉で解決。SNSで話題の『筋肉童話』
すべてを筋肉で解決するシンデレラ
シンデレラといえば、その内容からシンデレラストーリーやシンデレラフィットなど、さまざまな派生語も存在する誰もが知っていると言っても過言ではない童話。本来の物語では、継母や連れ子にいじめられているシンデレラですが、筋肉童話では違います。
この物語のシンデレラは、継母たちのいじわるにも動じないどころか、舞踏会へも馬車ではなく走って向かいます。そして、0時ではなくプロテインの時間で帰り、落としたものもガラスの靴ではなくダンベル。王子に求婚されたのも筋肉に惚れられたからと、その内容はまさにタイトル通りなのです。
作者の赤信号さんによると、筋肉童話として最初に投稿したこの作品では、「かわいくて、筋肉のおかげで元気なキャラを描くことを意識した」とのこと。そのため、「筋肉の描き方も圧が強くならないように気をつけた」と言います。
投稿後は読者からかなりの反響があり、今後の筋肉童話シリーズの方向性も決まった「特別な一話」だと語ってくれました。
すべてを筋肉で解決するかぐや姫(の帝)
日本最古の物語として有名ながら、作者も書かれた年も明らかになっていない竹取物語(かぐや姫の物語)。みなさんも一度は読んだことがあるのではないでしょうか。
主人公のかぐや姫は、その美しさから帝をはじめとした権力者たちに求婚されつつも、難題を出すことで退けてきました。しかし、『すべてを筋肉で解決するかぐや姫』では、ムキムキの帝が筋肉を活かしてかぐや姫の出した難題を叶えてしまいます。そして、月に帰ったかぐや姫にも会いにきた帝に対して、かぐや姫が「ここまで想ってくれるならいいんじゃない?」と感じて結ばれる結末となっています。
こちらは同シリーズの他の作品と比較してパロディが多いことと、主人公ではなく帝がムキムキになっていることが特徴。昔からパロディ好きな赤信号さんは「描いているうちにノリノリになってしまいました(笑)」とコメントしました。
すべてを筋肉で解決するオオカミ少年
こちらは「嘘をつき続けていると、本当のことを言っても信じてもらえなくなる」という教訓にもされているオオカミ少年をもとにした一話。赤信号さんが「他の話とは構成も筋肉の質も変えてみた」と話す本作は、オオカミがやってきたという嘘をつくのではなく、本当はオオカミがいたところを密かに退治していたという物語になっています。
そう、この話のオオカミ少年は、「村が平和であれば、俺は嘘つきでいい」と口にしつつ、獣を一蹴するイケメンマッチョなのです。
この話では「細マッチョのようなかっこいいイメージを出しました」とのことで、シンデレラやかぐや姫は規格外のマッチョが登場していたのに対して、オオカミ少年ではリアルな筋肉質の体型が描かれています。
「『これまでとは少し違う方向性でやってみたい』と思ったので、この回はとくにかっこよさ、強さを意識して描きました」と赤信号さん。ストーリーもバトルマンガのようで、言葉通りの内容となっていました。
各話のラストで語られる「筋肉筋肉、やっぱ筋肉だな」というセリフから、マッチョの無限の可能性が垣間見える本作。Kindleで配信されている『筋肉童話 〜読むプロテイン〜』では、これまで赤信号さんが投稿してきた筋肉童話が読み放題となっています。今回紹介したものはほんの一部ですので、気になった方は一読してみてはいかがでしょうか。
【イラストは次のページへ】筋肉マンガ家・赤信号わたるが描く、マッチョになったおとぎ話のキャラたち
(プロフィール)
赤信号わたる(あかしんごう・わたる)
『筋肉童話』がきっかけで自身もトレーニングを始めた“筋肉マンガ家”。現在はコミックヴァルキリーにて『ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊』を連載している他、Twitterではさまざまな短編マンガを公開中。