ピンク色のビキニを着こなし、笑顔満開のパフォーマンスをステージ上で披露する彼女。Super Body Contest(SBC)は開催5年目、比較的新設であるため出場選手の中にはコンテストビギナーも多いが、聞けば彼女も出場2年目だという。経験値は浅い中でも緊張感や堅さをいっさい感じさせないステージングの秘訣はいったいどこにあるのか、その理由は彼女の職業にあった。
もっと食べて大きくなって目指すは王道部門優勝
7/2(日)に兵庫・神戸ポートオアシスにて開催されたSBC兵庫大会。2023年の第5戦、ボディコンテストが盛り上がる時期に差し掛かった時期の開催ということもあり、関西の名選手が多く参戦した。その中で、細身のスタイリッシュなボディが評価されるTREND部門のChampion of the show(総合優勝)に輝いたのは、件のステージングを見せた野玉梨花だ。
「以前に、体重や体脂肪率がどれだけ減ったとか、筋肉量がどれくらい増えたのかとか、そういう数字を競うコンテストに出ることになったんです。そのときに、体をどう変えていったらいいかまったくわからず、いい機会だと思ってパーソナルトレーニングを受けたのが筋トレをはじめたきっかけです。トレーナーさんがSBCでも優勝経験もある方だったのでおすすめされて、昨年の兵庫大会でデビュー、福岡大会も出て、年末の『SBC FINAL』にも出場させていただきました」
近年はフィットネスの隆盛もあり、トレーニングは一般的に馴染みのあるものになっているのは間違いない。ただ、そこからボディコンテストに出るとなると話は別。トレーニングに取り組んでいても、「体づくりは自分の健康ため」「人に見せるためのものではない」という考えの人もいるだろうし、「ステージに立つなんて恥ずかしい」という人もいるだろう。ただ、彼女にそんな考えはいっさいなかったという。
「私、職業がマジシャンなんです。普段から人前に出て、パーティーなどに呼ばれて手品を披露したりしています。だから、場慣れはかなりしているほうですし、今回のようなステージに出ることにまったく壁がないんですよ(笑)。職業柄、人を楽しませることも大好きで、SBCには毎回楽しく出させてもらっています」
SBCは、数あるボディコンテストの中でも競技性を保ちつつ、エンタメ要素もふんだんに取り入れたイベントだ。まさに、“筋トレマジシャン・梨花”として活動する彼女にとっては、これ以上ないピッタリのステージなのだろう。とはいえ、エンタメに全振りすればいいわけでもない。競技としての目標もしっかりと持っている。
「今日はTREND部門で良い評価をいただきましたが、私の本命は、(トータルの筋量なども必要となる)SBC部門で総合優勝を獲得することです。まだまだ体は小さいので、もっともっと大きくしていかないと。今後は、もう一つどこかの地方で大会に出て、12月のFINALに今年も挑戦します。ご飯をあまり食べられないほうなのですが、しっかり食べてもっと大きくなって、FINALで良い成績を目指したいと思います」
数いるトレーニーの中でも異色の職種の彼女。溢れるエンタメ精神とひたむきな努力、そして目標へまっすぐ突き進む芯の強さで、これからも独自の進化を続けていくだろう。
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