童話のキャラがマッチョ化したマンガ『筋肉童話』がTwitterで話題を呼びました。作者の赤信号わたるさんは、過去にも独自の作風でヒット作を送り出してきましたが、その作画は『筋肉童話』とはまた異なるもの。なぜ今、筋肉をテーマにした作品を描こうと思い立ったのか。赤信号さんの思いに迫りました。
【イラスト集】“筋肉マンガ家”赤信号わたるさんが描く『筋肉童話』
鍛えてみて「やっぱ筋肉だな」と思うようになった
――前回のインタビューでは、『筋肉童話』のヒット以降、筋肉マンガ家として認知されるようになったと伺いました。仕事の幅が広がったのですね。
はい。読者のみなさんからの声が変わったり、プロテイン製品とコラボする機会もいただきました。実現こそしませんでしたが、編集さんから「筋肉に絡めた新連載をやりませんか」というお話もいただきました。
――実際、筋肉マンガ家として期待されることに対してどう感じていますか。
新しい可能性が拓けた感じがしてうれしいですね。ただ、何よりうれしいのは筋肉関連も含めてみなさんからコメントをいただけることです。僕もそうなのですが、SNSでリプライを送るのは勇気がいると思います。それをわざわざしてくれるというのは、「いろいろなハードルを超えてくれたんだろうな」と感じますし、基本的にマンガ家は読者とコミュニケーションを取る機会が少ないので、作品がきっかけでやり取りが増えるのはとてもうれしいです。
――筋肉という観点で言うと赤信号さん自身、筋トレ風景をTwitterでアップされていますね。
はい。正直、以前はとても健康とは言えない状況でしたので、「筋肉マンガ家として不健康なままではいられない」と思って、トレーニングを始めました。最初は公共のジムで毎日のように鍛えていましたが、筋肉痛で創作活動に支障をきたし始めたので、今では自宅トレと週1ペースのジム通いを行なっています(笑)。
――トレーニングを始めて良かったことはありますか。
以前よりも疲れにくくなったと感じます。とくに腰の調子が圧倒的に違いますね。一時期はマンガに集中しすぎて運動不足になり、立てなくなるほど筋肉が衰えていたので、今健康でいられるのは筋トレのおかげだと思います。
――立てない時期があったのですか!?
そうなんです。ずっと座りっぱなしで作業していたので、筋肉がガチガチになっていました。体に合わないイスやベッドを使っていたことで悪化したのですが、それも筋トレによって改善することができました。それこそ『筋肉童話』のセリフではないですが、「やっぱ筋肉だな」と実感するようになりました。
――筋肉を鍛え始めて、健康面で良い影響があったのですね。
はい。ただ、体の健康だけではなくて、メンタルへの好影響も感じることができました。トレーニングをすると気分がスッキリしますし、筋肉痛がある時は「今成長しているんだな」と、前進を感じることができます。僕は積み重ねができるものが好きなので、その結果が目に見える筋トレはとても好きです。
――積み重ねるというのは、マンガも筋肉も共通する点だと感じますか。
それは本当にそうですね。僕に限らずですが、マンガ家はスポーツをしている方が多かったり、何かを極めたい気持ちが強いのだと思います。マンガと同じで、筋トレは探求心を満たしてくれるものだと思います。
――今後も筋肉をテーマにした作品を投稿されるのですか。
『筋肉童話』は、案が浮かんだら浮かんだだけ描いていこうと思っています。これからも筋肉マンガ家として活動を続ける中で、童話を飛び越えて別のジャンルも描きたいです。いろいろなことに挑戦しつつ、「やっぱ筋肉だな」とみなさんに思ってもらえるように、今後も筋肉の魅力を表現していきたいですね。
【イラスト集】筋肉×おとぎ話! ムキムキになった童話のキャラたち
(プロフィール)
赤信号わたる(あかしんごう・わたる)
『筋肉童話』がきっかけで自身もトレーニングを始めた“筋肉マンガ家”。現在はコミックヴァルキリーにて『ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊』を連載している他、Twitterではさまざまな短編マンガを公開中。