2023年の第5戦となったSuper Body Contest(SBC)の兵庫大会(7/2開催)。この大会の大きなトピックの一つが、ロングドレスを着用する新カテゴリー「MERMAID部門」の初開催だったのは間違いなく、このステージに立つために関西圏外から遠路足を運んだ選手もいるほど。だが、「私がドレスでステージに立つことはないかな」と笑顔で断言するのは黒川紀子だ。「もともとビキニが着たくてコンテストに出はじめましたし、私の強みはミッドセクション(腹筋周り)。強みを出せるステージに立つこと、そこは譲れないところ」と話す。
【フォト】「楽しませる」思いでステージに立った黒川の全身フォト
黒川は昨年の決勝大会「SBC FINAL」のSBC部門(トータルの筋量などが必要とされる王道カテゴリー)で総合優勝を獲得した女王的存在だ。SBC以外の団体にも出場しながら自身のボディと魅力をアップデートし続けており、今年も6月にはSBCを含む3団体合同コンテスト「筋肉祭」とJ-CLASSICに出場。この兵庫大会はここ1か月で3大会目で、「連戦でコンディションを合わせるのは大変でしたが、今日は今日でしっかりと合わせることができたのかなと思っています」と、つねにベストな状態で勝負に挑み続けている。
もちろん、ただ出場するだけではない。そのほとんどで好成績を収めており、この日も“安定の”と言える勝ちっぷりでSBC部門を制覇。つねに勝ち続けるにあたり、プレッシャーは感じていないのだろうか。
「正直なところ順位はあまり意識しておらず、ベストを出すことに重きを置いています。ポージングであったり、絞りであったり、前回の大会で見えた課題をその日のステージでクリアにすることに重点を置いているので、順位や周りのことは気にしていないんです。この兵庫大会では、“見ている人が楽しめるようなパフォーマンスを”と考えていました。ステージに踏み入れた瞬間から舞台袖にはけるまで、観客のみなさんが楽しいと感じるような仕草やアクションを意識していました」
つねに矢印を向ける先は自分。そうして彼女は“女王”と言える姿を築いてきた。ただしその源は、体づくりやパフォーマンスへのこだわりのみならず、仲間づくりや「楽しむことが」一番であると語る。
「もちろんコンテストを楽しむこともありますが、一緒にステージに立つみなさんに会いたいというのが、大会に出場する理由でもあります。今回は地元ということもありましたし、MERMAIDに出場するために遠くから来ていた選手もいたので、そうした出会いも大切にしています」
次なる戦いは7月末、愛知・ラグーナテンボスを舞台にしたステージだ。
「ラグーナ大会は終演後にプールでのパフォーマンスを披露する場があるので楽しみにしています。そこでもまた見ている人に楽しんでもらえるステージをみなさんとつくっていきたいと思います」