日常に取り入れられるエクササイズをパーソナルトレーナーの澤木一貴さんに解説していただく本企画。今回は登らない日はないといっても過言ではない、階段の登り降りのポイントについて教えていただきました。
はじめに言えるのは、“階段は最高のトレーニングスポット”ということです。登りと下りでは異なる仕組みで下半身を鍛えることができますので、階段を見つけたらラッキーと思いましょう。
まずは階段の登り方から解説していきます。背筋を伸ばして姿勢を良くしたら、片足を階段に乗せて体重を前に乗せたうえで階段をぐっと押していきます。
段を押して上がるというイメージを持つと感覚がつかめるでしょう。背筋を伸ばし、体重移動を意識して登っていくのがポイントです。
姿勢を猫背にして脚を踏み出し、段差を手前に引き寄せるような形で登ってしまうのはNGです。正しい姿勢で登った時に、大臀筋や大腿四頭筋が適切に使われるからです。
続いては下りのポイントです。登る時は上半身がやや前傾になりますが、下りでは上半身は垂直に保ったまま脚を下ろしていきましょう。この時にふくらはぎに強い刺激が入りますので、腓腹筋、ヒラメ筋といった下腿三頭筋や大腿四頭筋のトレーニングになります。
気を付けるポイントとしては、降りる時につま先が外を向いてしまったり、ヒザが内側に向いてしまうことがないようにしてください。つねにつま先とヒザの方向を一致させて行なうようにしましょう。このあたりはスクワットの基本と共通しています。
これらを意識した上でエスカレーターではなく階段を意識して使うなど、日常のシーンを有効活用してみてください。
澤木一貴(さわき・かずたか)
1971年5月3日、静岡県出身。日本大学在学中にエグザス二子玉川でマシンインストラクターを務める。大学卒業後、パーソナルトレーナーと並行して、フジ虎ノ門整形外科病院スポーツトレーナー科(主任)、ヒューマンアカデミー東京校スポーツカレッジ(常勤講師)などを歴任。2010年にSAWAKI GYMを創設した。現在は早稲田本店、高田馬場店、沖縄北谷店を運営。トレーニングに関する数多くの著書も持つ、パーソナルトレーナー界の第一人者の一人。