「満足したら終わってしまう」バキバキボディの自衛官OB、連覇で示した継続の尊さ




「よかったと満足したらそこで終わってしまうと思っています」

58歳にして筋肉隆々。現役を退いてなお進化を続ける山田明は、自衛隊プレミアムボディ2023のOBクラス(定年退職した自衛官を対象)で優勝を手にした。長きにわたる自衛官としてのキャリア、40年以上続けているという銃剣道など、彼の芯となっているのは“継続”なのかもしれない。

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そんな山田が筋トレを始めたのは定年前の52歳の頃。そこで自衛官を対象としたコンテストがあることを知り、最初は軽い気持ちで出場を決めたという。しかし、実際にステージに立ってみるとその思いは一変した。

「家で鍛えていて他の人の体を見ないと、ある程度は筋肉がついてきた感覚になるのですが、実際に大会に出ると『やばいな』と思いました。大会に出るといろいろな方の肉体を見ることができますし刺激になります」

2017年に開催された第1回大会から自衛隊プレミアムボディへ出場を続け、2022年には新設されたOBクラスで初代王者に輝いた。大会後には「(現役を)やめたから体型が乱れるのはカッコ悪いと思いました」と思いを語り、新たなステージでの挑戦に心を燃やしていた。

今大会に向けては家トレ中心からジム中心にシフト。周囲にトレーニーがいる環境をつくりモチベーションをアップさせ、トレーニングに打ち込んで肉体を磨き上げた。迎えた本番では計5名の自衛官OBと頂点を争い、磨き上げたボディで堂々の二連覇を達成。そんな山田が大会後に口にした言葉からは、彼のモットーがにじみ出ていた。

「筋トレは別に相手と戦うものではないので、マイペースに気楽にやることもできるし、自分に厳しく追い込むこともできます。嘘がつけなくて、実直に自分のやったことが返ってくるのが魅力のひとつかなと思いますね。これからも継続していきたいです」

継続の尊さを感じる連覇劇を見せてくれた山田。定年退職後もコンテストという目標があることは、彼にとって体づくりの大きなモチベーションになっている。

「OBクラスを見た現役の隊員が『やばいな』と思ってくれるようになったら、OBと現役が互いに刺激しあえる循環が生まれると思います。そういう状況をつくれるようにみんなでがんばっていきたいですね」

早くも次回大会にも出場予定。人生を通して己を磨き続ける山田は、今後もトレーニングを欠かすことはないだろう。

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