SBCには各カテゴリーに物語がある
――兵庫大会、札幌大会、ラグーナテンボス大会、東京大会と4戦開催しましたが、手応えとしてはいかがですか?
本当に皆さん、何回も何回も、たくさん練習してステージに立ってくれています。私もそれに応えようと、しっかりとコンセプトをレッスンで植え付けるようにお伝えさせてもらっています。「ここ、海だからね!」と何度も(笑)。アームスの動きが速くなってしまう選手がいれば、「そんなに速くは水をかけないよね」とか、「お風呂で浴槽に浸かっているときに、八の字をかく練習してみて」など、アドバイスしたりもします。
――大会当日は審査員ではあるものの、同時にレッスンのコーチであり、ステージに立つ選手たちの成長した姿を見ることができるのは嬉しいですよね。
SBCはどのカテゴリーにも、“物語”があるんです。DENIM部門では「クールでカッコよくナルシストな男性」、TIGHT部門では「パーティーに行く煌びやかな女性」。このMERMAID部門でも、「優雅に泳ぐ人魚」の物語に選手の皆さんが入り込んでいっているのが伝わってくるので、本当に感動しますし、それこそ毎回涙が出そうになります。
――選手の個性が今後さらに出てくると、より見ていて楽しいカテゴリーに進化していく気がします。
DENIM部門とTIHGT部門は今年2年目ですが、規定ポーズも1、2個増やして広げていますし、規定ポーズの中で、表情を含めた表現力などがさらに磨かれていっています。どのカテゴリーでもフリーポーズは私がつくっている選手が多いのですが、流行りみたいなのもつくっていきたいなと思っています。今はDENIMで最後にそれぞれが決めポーズみたいなものを入れたりしていて、2年目だからこそのステージになっていると感じます。
――MERMAID部門も、来年以降はそういった発展の可能性があると。
そうですね。今はまだスタートしたばかりなので、まずは基本を覚えてもらっているところですから。その中で表現力も身につけるよう皆さん努力を重ねていらっしゃるので、来年と言わずとも、年末のSBC FINAL(決勝大会:12/10開催予定)でももっと進化するのではないかと期待しています。
――これまでSBC部門やTREND部門でステージに立っていた選手が、MERMAID部門に出場することでまったく違う姿を見せていたのも印象的でした。女性の新しい可能性を広げるカテゴリーと言えるのではないでしょうか。
女子は、おしゃれをしたいとか、煌びやかにありたいという思いを必ず持っていると思います。TIGHT部門やMERMAID部門をつくったのも、そういう女子の想いを表現するという意味もあります。そこに体をつくってステージに立つと、さらに磨かれて良くなるはずなので、女子にとっての楽しみの場であればいいなと思います。
――ちなみに、今後さらにカテゴリーが増えていく可能性は?
ありますよ、やりたいことはすごくいっぱいあるので(笑)。まだ検討段階で具体的には進んでいないですが、どうやって出していこうかな……と考えているところです。例えばですが、どのカテゴリーにおいてもウォーキングがありますよね。そこに着目したようなカテゴリーもあっても面白いかなと思っています。
――一般的なボディコンテストの枠にとらわれない、SBCならではのものが生まれると期待しています。
はい、楽しみにしていてください。
木下智愛(きのした・ちえ)
株式会社SBC Senior Managing Director Super Body Contest ヘッドコーチ。業界は 25 年以上携わり豊富な経験と知識、 実績を生かしてSBCコンテストの運営や演出、そして指導を行っている。クラシックバレエ、新体操競技を経て、コンテンポラリー、ジャズダンスで数々の舞台に出演し、1997年にはジャズ、コンテンポラリーを学びにアメリカ・ニューヨークへ短期留学。ダンス歴は45年以上にも及ぶ。SBC全カテゴリーのポージング・振付を行なっている。
取材・文・写真/木村雄大