「もっと筋トレしたい」気持ちを抑えてつくったビキニ競技のための体。6年目チャレンジで悲願の初V




9/10(日)に行なわれた、日本ボディビル・フィットネス連盟主催のフィットネス選手権「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス」。女子の花形競技であるビキニフィットネスでは、163cm以下級でダンシーあずさ、163cm超級で安井友梨が安定の連覇を飾る中、158cm以下級では佐野愛美が悲願の初優勝。新女王が誕生した。

【フォト】ビキニ日本一を争った出場全選手の全身フォト

「めちゃめちゃ、めちゃめちゃ嬉しいです。オールジャパンは2018年から参戦して今年で6年目、やっと獲ることができました」

大会後、興奮冷めやらぬ笑顔で語り出した佐野。オールジャパンにおいては入賞はするものの頂点にはなかなか届かなかったが、昨年は夏のSPORTEC CUP 2022で初めて全国レベルの大会で優勝、オールジャパンでは階級2位、その先の無差別級決戦「GRAND CHAMPIONSHIPS」では4位と、徐々に階段を昇ってきた。

昨年のSPORTEC CUP優勝時に、「それまでの取り組みを全て変え、過去一番の絞りでステージに立てた」と話していたが、この日はそこからさらにグレードアップ。昨年までの黒髪ロングヘアもバッサリ切り落とし、明るいショートヘアでイメージも一新。その秘訣を聞くと、「ビキニフィットネスの競技特性に合うように」という答えが返ってきた。

「体づくりで言うと、筋肉量を削ってでも減量するようにしました。トレーニングが得意な肩とか背中をあえて成長させないようにして、ウエストのシェイプもしっかりして、足も太くなりすぎないよう。本当は好きなトレーニングをもっとガッツリやりたいんですけど、自分が好きな筋力アップのトレーニングではなく、トレンドのシェイプされたボディを意識して。ビキニフィットネスという競技が好きなので、ここで勝てる体を目指してつくり上げてきました」

ビキニにおいては、絶対的女王の座をつかんで離さない安井友梨&ダンシーあずさの2強の壁を超えるのは簡単ではない。だが、いずれ誰かがその門戸を破らなければ、競技としての面白みも生まれないだろう。10/8(日)、「GRAND CHAMPIONSHIPS」のステージでは、その挑戦権を得た佐野に注目が集まるだろう。

「スペインで行なわれるアーノルドクラシックヨーロッパにも出たいと思っていて、“グラチャン”と日程が近いので迷っていたのですが……やはり今日優勝をいただけたので、出ようと思います。去年は4位だったので、まずは一つ順位を上げてトップ3入りを目指したいです」

風穴を開ける佐野のステージに、乞うご期待。

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