8か月にわたる死に物狂いの努力。筋肉に生活を捧げた自衛官




「前回は5位という結果だったのですが、そこから8か月間死に物狂いで努力して勝ち取った優勝だったので、素直にうれしいです」

自衛官たちが肉体美を競う自衛隊プレミアムボディ2023(8月26日開催)。激戦区である総合クラス・陸上自衛隊で優勝をはたしたのが深海佑太廊だ。前回大会5位からのジャンプアップVをはたした彼の言葉からは、今大会にかける熱い思いがにじみ出ていた。

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その思いの根源となったのが前回大会の結果だ。「正直もう少し上の順位が狙えるかなと思っていたのですが、そんなに甘くなくて」と本人が語るように、舞台で待っていたのは手強いライバルたち。壁にぶつかった深海だったが、その敗北が彼の闘志に火をつけた。

「他の大会に出るという選択肢もありましたが、自衛隊プレミアムボディ一本に絞って、絶対に勝ってやるという気持ちでやりました」

ほぼ毎日2時間のトレーニングに加え、着手したのは食事の改善。今までは炭水化物と脂質が中心の生活だったところを、脂質を押さえてタンパク質の割合を増やすことを意識した。

筋トレに関しては、モットーは質より量だ。トレーニングがあまり上手ではないと自己評価する中で、トレーニング時間を前回大会より約2倍確保。不器用な中でも己に負荷をかけ、文字通り“死に物狂い”の努力で剛健ボディをつくってきた。

「緊張はなかったです。友だちがサポートに来てくれていたのですが、『その体だったら絶対に勝てるよ』とずっと言われてきたので、早く戦いたいという気持ちでいっぱいでした」

積み上げた努力が実を結び、迎えたステージでは自信あふれるパフォーマンスを披露。トレーニングの成果を存分に発揮し、見事に陸上自衛隊クラスのグランプリに輝いた。それがどれだけ嬉しい出来事であったかは想像に難くない。

「来年からはもう少し他の団体の大会にも出場して、いろいろな経験をしていきたいと思います。まずは来年、FWJの新潟大会があるので、そこに焦点を当ててがんばります」

原動力はトレーニング愛と心の強さ。深海佑太廊の成長は天井知らずだ。

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