扇谷開登、26歳。職業、神奈川県の消防士。人は彼を「ゴリ」と呼ぶ。その由来は言うまでもないだろう、その姿を見れば、みなそう呼びたくなるはずだ。
9/17(日)、三重・シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢にて開催された「第3回日本クラシックフィジーク選手権」にて、扇谷は最長身クラスの175cm超級で見事優勝し、階級日本一に輝いた。そのボディは圧巻、並んだ選手たちと比較しても一回り大きいごつごつとした筋肉を搭載し、比較審査、フリーポーズでも圧倒的な存在感を放つ。まさに「ゴリ」、その名がぴったりだ。
彼は昨年まで、フィジーク競技の選手として活躍。特にその上半身は異次元とも言えるレベルにあり、通常のフィジークよりも筋量が求められる「マスキュラーフィジーク」で日本2位に。そのパワーを生かすべく、今年はよりボディビルに近いクラシックフィジークに参戦した。
「特に意識してやってきたのは、ポージングですね。トレーニングはもちろんですが、特にこのクラシックフィジークでは見せ方がすごく大事だなと気付き、ポージング練習に割く時間も増やしてきました。アウトラインを大きく見せること、それとこの競技でもっとも重要なバキュームポーズは特に意識しました」
ただデカいだけじゃなく、美しく見せる。審美性を求められる競技、それがクラシックフィジークだ。予選比較、決勝比較とオール1位の満票。決勝フリーポーズでは2人の審査員が2位の上田夢希に1位票を投じたが、それでも彼の1位が揺らぐことはない。まさに完勝と言っていいだろう。
クラシックフィジークを極めるか、ボディビルに進むか。あるいはマスキュラーフィジークに戻るか。どの道に進んだとしても、持ち前のバルクで、ボディビル界を明るく照らす存在となってくれるだろう。
「しっかり栄養をとって、トレーニングでは一つ一つオールアウトしていき、そしてしっかり睡眠をとる。それをこれからも続けていきます。競技的なことはあまり明確には言えないのですが、自分自身、まだまだ進化できると思っています。クラシックフィジークを目指してはじめた脚トレもまだ1年。去年よりも、今よりも、もっともっと成長していきます」