ボディビル競技は通常、規定の7ポーズが設けられている。だが学生大会においてはそれらに加えて、もっとも筋肉の迫力を見せられる「モストマスキュラーポーズ」が比較審査に加えられており、「胸」「脚」など部分賞の一つにもなっている(厳密には“部分”ではないが……)。
9/30(土)に埼玉・深谷市民文化会館にて開催された、今年の学生チャンピオン決定戦「第57回全日本学生ボディビル選手権大会」。その部分賞「モストマスキュラー」を獲得したのは、日本体育大学3年の大島達也だ。総合順位は3位と頂点には及ばなかったものの、「胸」の部分賞も獲得し、十分すぎる爪痕を残した。
「大会に向けて準備をしている段階ではここまでいけるとは正直思っていなかったので、とにかくうれしいです。関東学生大会では4位で悔しい気持ちがあったのですが、今日は表彰台にも乗れて満足です」
モストマスキュラーポーズの形は厳密には決まっておらず、各々が得意な形でポーズを披露する。学生大会の審査においては、決勝進出者20人の中から最終的にピックアップされた数名(今年は7人)が、一人一人順番にポーズを指定し、全員で同じポーズをとる進行が通例となっている。
当然、筋肉のデカさは重要であるが、大切なのはそれだけではない。
「自分の強みは血管が浮き出ることだと思っています。そうなるように筋肉をフレックス(収縮)させるところは意識してきたので、それが受賞につながったのかなと。“ザ・ボディビル”といえるポーズで賞をとれたことは光栄ですね」
総合順位で2位の依知川公平(国際武道大学)は4年生のため今年で卒業、1位の刈川啓志郎(学習院大学)も3年生だが来年は一般部への挑戦による卒業”を示唆しており、上2人が抜ければ目指すところは一つだ。
「まだまだ強化したい部分はたくさんあります。お腹周りはもうちょっと絞れたと思いますし、部分賞審査で、背中だけ呼ばれなかった(ピックアップされなかった)ので、そこは他の選手と比べて弱いのだと思います。今日は、応援してくれる方々が夜なべして団扇をつくってくれて、(客席の)暗闇の中でもしっかり見えて力になりました。来年は上の順位、優勝を目指します」
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