2024年12月、IFBB世界選手権を東京ビッグサイトで開催。アンチドーピング推進の起点となるか




来る2024年、IFBB(国際ボディビルディング&フィットネス連盟)主催の「IFBB世界女子選手権」及び「IFBB男子ワールドカップ」が日本で開催されることが決まった。

【フォト】2023年IFBB世界選手権の日本人選手結果一覧

JBBF(日本ボディビルフィットネス連盟)は先月30日、両大会の開催を公式HPにて正式発表。具体的なスケジュールなどは現時点で未定だが、日時は12月、会場は東京ビッグサイトを予定しているとのことだ。

例年、JBBFは主催する各種選手権大会の上位入賞者を日本代表選手としてIFBB主催の世界大会に派遣してきており、今年10~11月にスペイン・サンタスサンナで開催された世界選手権には20人が出場。フィットモデルで優勝した安井友梨、ボディフィットネスで優勝した大谷美咲をはじめ、8つの金メダル、7つの銀メダルを獲得し、日本のボディビル・フィットネスの力を世界に示した。来年は自国開催ということで、より多くの選手たちが世界の強豪選手とステージ上に並ぶ機会を得られるかもしれない。

日本開催にあたり、ドーピング検査の実施は注目ポイントの一つとなる。IFBBはアンチドーピングを掲げた大会運営を行なってきたが、2022年末、世界アンチドーピング規定(WADA cord) を遵守していないとされ、WADA(世界アンチドーピング機構)の特権を一時的に失っている。2023年12月現在で復帰に向けた状況は不明だが、JBBFはアンチドーピングセミナーの開催や国内大会でのドーピング検査の拡充などクリーンなボディビル・フィットネス環境づくりに向けた動きを年々加速させており、徹底した運営管理の下でドーピング検査が実施されれば、特権復帰・維持の一助となるだろう。

また、「いつステージに立つのか、時間が読みにくかった」と多くの出場選手が漏らしていたように、審査の順番こそ決まっているものの明確に時間の目途が決まっておらず、審査が深夜に及ぶことも多かった今年の世界選手権。海外と比較すると時間に厳格な日本人だけに、進行管理の面でも日本開催のメリットが生まれる大会となるかもしれない。

財政的な負担や外国人の受け入れ問題など、東京2020オリンピックなどでも浮き彫りになった世界大会開催における課題は少なくないだろうが、ボディビル・フィットネスのさらなる発展の大きな一歩となることを期待したい。

文・写真/木村雄大