女王・安井友梨にとって最大のピンチとも言えるシーズンだった。
身長別フィットネスの日本一決戦「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス」(9月9-10日、栃木県総合文化センター)の3週間前に15kgのトレーニング器具が左足に落下し、親指が粉砕骨折。ステージではヒールを着用することからドクターは大会欠場を勧めたが、安井は強行出場を決意した。そして痛みに耐えながら、マスターズクラスと一般クラスで163cm超級を制覇。同大会8連覇を達成した。
【フォト】やはり安井友梨は美しかった。ケガを越え見せた圧巻のステージ
その1週間後には「オールジャパン・フィットモデル・チャンピオンシップス」(9月17日、三重・シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢)にエントリー。真っ赤なドレスをまとい、163cm超級とともにオーバーオールでも連覇をはたした。笑顔で終えた大会だったが、じつは前週のステージ後に足が腫れ、2日前でもヒールを履けないほどだったことを明かしている。
迎えた階級無差別の「フィットネス・ジャパン・グランド・チャンピオンシップス」(10月8日、東京・江戸川総合文化センター)。では、163cm以下級優勝のダンシーあずさとの一騎打ちに注目が集まった。今年こそ逆転か?という声もある中、安井はダンシーの猛追をおさえて優勝。グラチャン4連覇という偉業を成し遂げた瞬間、その目からは大粒の涙がこぼれ落ちた。
思いが冷めないまま、翌週にはスペイン・マドリードに飛び、「アーノルド・クラシック・ヨーロッパ」に参戦。ビキニ部門で4位、そしてフィットモデル部門では年齢別・身長別・オーバーオールでの3冠に輝いた。さらに「IFBB世界フィットネス&ボディビル選手権」(11月5日、スペイン・サンタスサンナ)でもフィットモデルの172cm以下級で優勝を収めている。
ケガを負ったことが信じられないほどの快進撃で駆け抜けた今シーズン。「骨折から今日に至るまでの奇跡の数々は、すべてが皆さまのおかげです。皆さまの力強いお支えのおかげで、『自分と未来は、変えられる』ことを証明させて頂きました」と安井はSNSに感謝の気持ちを綴った。最大のピンチを乗り越えたことで、女王はさらに強さを増した。