可愛くて強い、元祖アイドルレスラーとして人気を博した愛川ゆず季さん。2013年に現役を引退してからは結婚・出産を経て第二の人生をスタートさせた。現在は40歳という年齢を迎える中でも、その美貌は衰えるどころか更新を続けているように思える。
【トーク動画】愛川さんが『奇跡の40歳』へのV字回復ストーリーを語る
2022年には健康美を競うBEST BODY JAPAN日本大会でクラス優勝をはたし、メディアで『奇跡の40歳』と紹介されることもあった。彼女にとってトレーニングとは、第二の人生を歩むうえでの光といえるものだ。ライフステージの変化で葛藤を味わう中、筋トレが彼女の心と体を支えた。
「経験した母親はわかると思うんですけど、女性って本当に出産すると1回“終わる”んですよ。ある日鏡を見ると愕然とする瞬間があるというか。産後太りを経験した時はそんな感覚でした」
グラビアアイドル、プロレスラーと自分を見せる仕事をしてきたこともあり、出産後の自身の変化には動揺した。とはいえ育児で多忙、夫は仕事で手が離せない状況だ。そんな日々を愛川さんは「とにかく自分の時間がなくなるんですよね」と回想した。
加えて、息子との関係にも思い悩んだ。2023年には自身のブログで、息子が自閉症であることを公表。特有の症状であるこだわりの強さやコミュニケーション障害が現われると、ついきつく当たってしまうなど接し方での葛藤があったようだ。そんな中、彼女を救ったもののひとつが筋トレだった。
「何かに打ちこんで悩みを忘れられる時間がほしかった。とはいえ仕事をしたいと思っても時間はないし、表に出られるような状態でもないし……と思って、何とかしないといけないっていう気持ちが芽生えたのかもしれないです」
パーソナルトレーナーである夫の影響もあり、趣味としてトレーニングをスタート。すると、すぐにその魅力にハマっていった。日常で何があろうと、体を動かしている瞬間はそのことに集中する。多忙な合間にトレーニングを挟むことで、自分をまた好きになれていく感覚があった。
「最後に負けて終わるのが筋トレなんですよ。私は性格的に何かを達成して終わりたいんですけど、筋トレはもうダメだっていうギリギリまでやるから、最後は必ず負けるんです。だからある意味ずっとイライラしているんですけど(笑)。そのくらい熱中できるものに出会えてよかったです」
時には息子もトレーニングに興味を示すなど、親子のコミュニケーションにも一役買っているようだ。2022年には、目標にしていたBEST BODY JAPAN日本大会に出場して見事優勝。2023年にも同大会に挑んでクラス4位の成績を残している。
「年齢って関係ないんだと思いました。ボディメイクを始めるのに早いも遅いもなくて、いつでも誰でも取り組めるのが魅力ですね。あとは、コンテストに出場するようになって仲間ができました。ベストボディの選手たちのInstagramを見るだけで元気をもらえるんです。そういう仲間ができたのもトレーニングのおかげだと思います」
一度はスター選手として絶頂を体験し、そこからの葛藤、再起とV字回復ストーリーをたどってきた愛川さん。そこで出会った筋トレによって、ここからの人生は天井知らずの向上が待っていることだろう。『奇跡の50歳』と呼ばれる日が来るのも、そう遠くない未来なのかもしれない。