「ウクライナに希望と笑顔を」今年も熱戦のわんぱく相撲ウクライナ大会 日本に来日のジュニア力士3名も決定




ウクライナ・中部にある大都市、ドニプロのオリンピックスタジアムで、第2回わんぱく相撲ウクライナ大会が開催された(2024年3月8日)。

【フォト】ウクライナのわんぱく力士たちによる熱戦の模様

ウクライナでは近年格闘技が盛んで、相撲の競技人口も3,000人と増加中。日本における大相撲でも、獅子(雷部屋)や安青錦(安治川部屋)といった関取が誕生している。ウクライナと日本の相撲による結びつきの歴史は古く、第48代横綱・大鵬の父がウクライナ人であったこともあり、たびたび相撲の大会が開かれてきた。

ザポリージやクラマトルスクなど戦線に近い地域からの参加もあり、大会には全国から約60名のジュニア力士が参加。交通規制により当初参加予定だった半数近くが会場入りできないなどの事情はあったが、わんぱく力士たちの熱量で大会は大きな盛り上がりを見せた。

なお、本大会における各年齢(10歳~12歳)の優勝者3名が、2024年8月4日(日)に東京・両国国技館で開催される『第39回わんぱく相撲全国大会』に出場するため来日予定となっている。

日本への切符をつかんだのは12歳の部のティムール君、11歳の部のエホール君、10歳の部のエヴヘン君だ。彼らは日本行きに向けて、さらに精進して稽古に臨むことを誓ってくれた。

昨年、ウクライナからふたりの力士がわんぱく相撲大会出場のために来日した際は、異国の地での文化体験や、憧れの獅子関との対面などの様子がバラエティ番組の密着取材により注目の的となった。そのためか、今年は我こそはというわんぱく力士たちが多く集結。ウクライナ大会でのレベルの高い取り組みが目立った。

ウクライナ大会を主催する、一般社団法人ウスミシュカ(ウクライナ語で『笑顔』)のメンバーである中條秀人さん(43歳)に話を聞いた。

右が中條秀人さん

「戦禍にあるウクライナの子どもたちの不安を希望と笑顔に変えたいと思い、わんぱく相撲大会を開催しました。2022年4月から支援のためウクライナに来ていますが、もともと日本の文化などで交流を深められるようにしたいと考えていました。ウクライナ政府の青年スポーツ省およびウクライナ相撲連盟と公益社団法人東京青年会議所などの協力を経ており、今年は在ウクライナ日本大使館も応援してくれています」

故郷に希望と笑顔をどれだけ多く持って帰れるか。今年もウクライナの少年力士たちの奮闘に注目したい。

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