『夏が一番似合う男女』決定戦 SUMMER STYLE AWARD発足に込められた思いとアンチドーピングへのこだわり【金子賢SSA代表に聞く#1】




ボディコンテスト隆盛の昨今において、選手たちから多くの人気を集めているSUMMER STYLE AWARD(サマスタ/SSA)。俳優、元格闘家の金子賢さんが代表を務めるサマスタは、“夏が一番似合う男性、女性を決める”をテーマに全国で激戦が繰り広げられている。2015年に産声を上げ、今年で10年目を迎える同団体。記念すべきアニバーサリーイヤーに際し、金子さんに団体発足の経緯から振り返ってもらった。

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夢中で走り続けて10年目

――今年で団体創立10年目ですね。サマスタ発足に込められた思いとは、どういったものでしたか。

「私自身が2014年にBEST BODY JAPAN(以下、BBJ)に出場して、そこで自分が『大会をつくる側になってみたい』と思ったのがきっかけでした。フィットネスの楽しさを伝えたい、それこそ肉体美が輝く季節である『夏が一番似合う男女を決めたい』などが創立の軸になりましたね。旗揚げ当初は手探りで、がむしゃらに走ってきた部分が大きかったですが、今は少し落ち着いて未来を考えられるようになってきました。フィットネスを通じて日本が元気になって、高齢化社会を迎えても健康に歩ける人が少しでも多くなればいいなと思いますね」

――発足してから今までの月日を振り返っていかがですか。

「初期は本当に、大会とはどうやって運営するのか、HPはどうつくるのか、といったレベルから手探りでしたから、とにかく夢中で走り抜けた期間だったなと思います。2020年に新型コロナも流行しはじめた時期は一番悩んだのですが、今日まで続けてこれたことに本当に感謝しています。基本的には一貫して楽しくやっていますよ。前提として自分が楽しむことから始まると思っていますし、その上で選手やお客さんが楽しんでくれれば最高です。参加してくれる選手も少しずつ増えていて、とても感謝しています」

サマスタ発足当初のステージ

――身長別のカテゴリー分けというのはサマスタの大きな特徴だと思います。

「そうですね。私が出たBBJは年齢別で競うのですが、その中で身長のコンプレックスを抱えてステージに立っている選手が多かったんです。身長に関係なく輝けるステージをつくっていきたいと思い、サマスタは身長別のカテゴリーを設けることにしました」

――プロ資格の制度は、いつ頃からできたのでしょうか。

「2018年からですね。日本のフィットネス競技のレベルを底上げするためには、目標となる選手をつくったほうがいいのではと思ったんです。プロということでハクがついたり、アマチュアのステージと差をつけたりして、プロ選手が多くの選手のあこがれになってくれればと思いました。プロ選手たちは自分で目標を掲げて力を磨いて、全体を引っ張ってくれているので、とても頼もしい存在です」

――フェアな競技性を大事にするため、ドーピング検査も実施されていますね。

「そこはかなりこだわっています。たとえるなら自転車の大会にバイクで来られても自転車側が勝てるわけがないので、ドーピング検査があったほうが公平性を保てると考えています。アマチュア選手で薬物を使う選手は滅多にいないと思いますが、私としてはアンチドーピングはとても大事な要素だと思っています。何より、薬で体がよくなってもそれは健全なフィットネスではないので。そこの住み分けはしっかりしていきたいです」

ドーピング検査の様子

――とはいえ、検査を導入するハードルは高かったのではないでしょうか。

「はい。本当に金額もそうですし、検査を導入する手続きも含めて3~4年ほどかかってしまいました。サマスタはJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)さんのご協力のもと、アンチドーピングの連盟にも加入しています。民間の検査を導入していて、大会ごとにチェックを行なっている形です。2023年からは大会に出場する選手には選手登録とアンチドーピング講習の受講も必須にしています。これからも公平性を大事にした大会運営を行なっていきたいですね」

(インタビュー第2回へ続く)

取材・文/森本雄大
写真提供/SUMMER STYLE AWARD