映画『家出レスラー』公開を前に岩谷麻優らが試写会で舞台あいさつ「胸張っていい映画ができた!と思います」




スターダムの女子プロレスラー岩谷麻優の半生を描く映画『家出レスラー』が5月17日(金)より全国公開される。一般公開を控えた5月9日(木)、東京・飛行船シアターにて完成披露試写会が行なわれ、モデルとなった岩谷自身のほか、岩谷を演じた平井杏奈、朱里、向後桃、中本大賀、木村有希(ゆきぽよ)、竹若元博(バッファロー吾郎)ら主要キャストが登壇。撮影時のエピソードなどを語った。

【フォト】試写会でのアザーフォトや作中シーンの数々

――まずは岩谷さん、ご自身の半生の映画化おめでとうございます。自分の人生が映画化すると決まったときはどうだったんですか?

岩谷「ありがとうございます。ホントにホントに、あれですよ。車に乗ってたら、(スタッフが)『映画やりたい』って言ってましたよ~みたいな。『ええ、そうなんですね、そうなったらいいですねえ』みたいな軽いノリから(始まり)、完成試写会から舞台挨拶とか、公開ってなってマジでうれしいけど、なんか緊張ありますよね。この映画、ホントに楽しんでいただけるかなとか、すごく緊張感とかあるんですけど、ホントにみんなががんばって力を込めて精一杯がんばってくれたので、映像を見た後だと胸張っていい映画ができた!と思いますので、たくさんの人にこれから見てもらいたいなと思います」

――そんな岩谷さんの役を今回、2022年の主演オーディションを勝ち取った平井さんが演じます。平井さんは初の映画出演、映画の主演ですよね。

平井(岩谷マユ役)「そうですね。ホントに初めてです。プロレスも初めてですし、映画出演、映画主演も初めてだったので、初めてだらけでたくさんの挑戦をさせていただきました」

――なぜオーディションを受けようと思われたんですか?

平井「ホントにたまたま『家出レスラー』オーディションを見つけまして、その瞬間に岩谷麻優さんの自伝本『引きこもりでポンコツだった私が女子プロレスのアイコンになるまで』を買いまして、一気に読んだら、ホントに歩んできた境遇とか環境とか考え方とか、ホントに共感というか、共通点があまりにも多くて、驚きもありつつ絶対に岩谷選手の半生を演じたいなと思いました。映画に出たいとか主演になりたいとかいう思いよりは、岩谷選手の半生を演じたいなという気持ちから応募させていただきました」

©映画『家出レスラー』製作委員会©World Wonder Ring STARDOM

――岩谷さんは、オーディションに立ち会っていたとか。

岩谷「立ち会ってましたね」

平井「全審査いらっしゃいました」

岩谷「書類審査から最終審査まで、すべての杏奈ちゃんを見てました(笑)」

平井「しかも、最初の審査も最終審査もここ(飛行船シアター)だったんですよ。岩谷選手が審査員席に座ってて、私、オーディション以来ここに立っていて、なんか感慨深いというかビックリですね。岩谷麻優役になってここに立ってるってことは、今でもけっこう夢?みたいに思ってます(笑)」

――岩谷さんは、平井さんのどんなところがオーディションで光ってる、自分役にいいと思ったんですか?

岩谷「ホントに直感なんですよ。でも奇跡の連発で、書類審査の時点で、『この子いいですね』って言ってひとり出したのが平井さんだったし、第一次審査、第二次審査、ここで演技を直接見る機会があったときに唯一、今の心境どうですかってインタビューしに行ったのが平井杏奈ちゃんだったんですよ」

平井「そこの裏の楽屋ですね」

岩谷「そう、そう。他のみんなあいさつできなくて、杏奈ちゃんだけインタビューして。私はいつも試合中、(コスチュームに)尻尾をつけているんですけど、横浜武道館での試合で杏奈ちゃんが(オーディションのために自作の)尻尾をつけてきてて。私は試合なのに持っていくのを忘れちゃったんですよ」

平井「私は、マイ尻尾を持参してオーディションのお披露目に行ったんですよね」

岩谷「それで自分が、『平井さん、ですよね?その尻尾、今日ちょっと忘れちゃったので貸してもらってもいいですか?』みたいな。それで横浜武道館で、杏奈ちゃんの尻尾を借りて試合をしたんです(笑)」

平井「その尻尾は、『家出レスラー』の羅月(朱里)との闘いの時につけてるんですよ」

朱里(マユのライバル羅月役)「あの尻尾だったの?」

岩谷「そう」

朱里「え~! すごいね!」

平井「すごいです、いろいろと奇跡が続いて」

岩谷「ホントに奇跡の連続で」

平井「その尻尾、家に展示してます(笑)」

――ゆきぽよさんは、初めてのプロレスラー役、どうだったんですか?

ゆきぽよ(マユと同期のレスラー東子役)「演技の仕事を本格的にしっかりやるというのは、この『家出レスラー』が初めてだったんです。まさか最初にプロレスラーをやるとは思ってなかったです(笑)。プロレスもホントに無知で、どうしようと思って挑んでみたんですけど、役作りというのも初めてしたんですけど、みんなで(プロレスの)練習したり、練習していない間に自分のプライベートの時間も走りに行ったりとか、ふだん動かないし運動とかも苦手なタイプなので、いろいろしたのは今思えば感慨深いというか、楽しかったなって思ってます」

――今回、ゆきぽよさんと平井さんのプロレスについていろいろと朱里さんが指導をされていたのですか?

朱里「プロレスの練習、指導をさせていただいたんですけど、2人ともホントに最初どうなることやらって感じで(笑)」

ゆきぽよ「ヤバかったです、もう(笑)」

朱里「へばってたよね」

平井「練習初日とか両足つって。永遠に息切れ止まらないみたいな。ホントに絶望の状況でした」

朱里「でも、すっごいがんばってくれて、メチャクチャ上達して、ゆきぽよちゃんとか練習のとき『痛い痛い、やだ』って言ってたのに本番メッチャ強くって、メチャカッコよくって。本番にすっごい強いタイプだよね」

ゆきぽよ「うれしいです、ホンモノのレスラーの方に褒めていただけて。でも(朱里は)メチャクチャ怖いですから、練習中。『痛いふりするな!』みたいな」

向後(スターダムのGM流香役)「言ってましたね、痛い顔するなって(笑)」

ゆきぽよ「痛いんだって」

朱里「プロレスラーはね、痛い顔しちゃいけない」

ゆきぽよ「ホントにカッコよかったです、プロの方たちも」

平井「朱里さんのおかげで私たちプロレスやらせていただいたので、ホントに感謝でいっぱいです」

ゆきぽよ「ありがとうございます」

©映画『家出レスラー』製作委員会©World Wonder Ring STARDOM

――朱里さん自身は、岩谷さんの半生の映画に参加してどんな思いがありましたか?

朱里「まず自分自身が女優さんになりたいという思いがすごいあったので、関わらせていただけるのがすごくうれしくて。スターダムのアイコンと言ったら岩谷麻優じゃないですか。なので、そんな麻優ちゃんの映画にこうやってたくさん関わってプロレス指導もさせていただけて、自分の中でさらに思い入れの深い作品になったので、ホントにたくさんの人に届いてほしいです。岩谷麻優、素敵だよね」

向後「そこについてはもう同意しかないです! 私も岩谷選手の映画にホントに出たくて自伝本をずっと私はバイブルとして、プロレスラーの自分がへこんだ時とかに見てきた自伝本が映画になるという時点ですごく出たいと思ってたので、そこについてはもう同意しかないです。全力で同意します(笑)」

――向後さんは今回の撮影で、ここは胸熱だったというシーンはあるんですか?

向後「すべてのシーンが胸熱。自分が追いかけてきて、実際に後楽園だったりDVDだったり、いろんなもので見てきた麻優さんを平井さんが演じてくれて、すべてのシーンが胸熱ではあったんですけど、とくに最後のほうの……あ、ちょっとネタバレになるからなかなか言えないけれど、最後の方のマユがカッコよく歩くシーンが私は好きです」

ゆきぽよ「カッコよかった、あれホントに」

――リングのシーンすべてにおいてカッコいいと思いながら、ちょっとウルウルくるところもたくさんありましたね。

向後「そうですね。ホントに笑えるところもたくさんあって、感動するところもたくさんあって。なので、プロレスを知らない人でも絶対に楽しんでいただける作品だなと思っています」

――(マユの兄役の)中本さんも(岩谷ファン役の)竹若さんも、今回は応援する側でありましたけど、今回この作品に関わってみて、みなさんの演技する姿とかどうでしたか?

中本「僕もこの映画に関わらせていただくまでプロレスをまったく見たことがなかったです。それこそマユと初めてチケットを持って初めてプロレスを見に行くという場面が、リアルの中本大賀も初めてプロレスを見る機会だったので、プロレスってこんなに面白いんだって。僕のリアルのお父さんがプロレスすごく大好きで、この機会にすごくプロレスに行ってみたいなと思いましたし、演じていくにあたって兄としての心配、妹の心配もそうだし、お母さんとマユとの関係も僕も兄がつないでいかないといけない橋になるなとすごく思いながらお芝居させていただいたので、すごく人としても成長できたし、プロレスを知るいい機会になったなと思って、すごくありがたい機会だなと思いました」

――試合シーンもご覧になったんですよね。

中本「見ました、見ました。すごかったです、あの音。バーンという音にビックリして、痛くないんですかって」

岩谷「痛いですよ、痛いです!」

中本「痛いですよね。そうですよね。プロレスラーさんの腕の傷とかを初めてリアルに見て、人間ってここまでできるんだと知り、迫力があってすごかったですね」

©映画『家出レスラー』製作委員会©World Wonder Ring STARDOM

――それをずっと見守ってきた竹若さん、どうでしたか?

竹若「僕は(岩谷ファン)3人組のひとり(吉川)でして、(勝田役の)レイザーラモンRGと(烈堂役の)浅越ゴエの3人で一緒に応援しているんですけども、僕たちはけっこうホントにプロレスが好きというところでブッキングしてもらったところもあるんですよ。なので、ちょっとどうなの『家出レスラー』?どうなの杏奈?仕上がってるの?みたいな感じで現場に向かったんですけども、一発でファンになりましたね。取り組む姿勢、カメラまわってないところも動きであったりすべてにおいて、体中のアザとかも見て一発でファンになって。全然僕ら演技してないです、ホントに応援してます。そういう空気でした。最後の後楽園ホールとかもすごかったんですよ。エキストにはプロレスファンの方もいらっしゃるし、なかには全然プロレス見たことない人も撮影に臨んでるんですけども、会場全員がホントに一体化してました。最後はホントにみんな、杏奈ちゃんのマユの応援をしてプロレスで盛り上がるところがすごいなという感じで、ホントにこの一体感、みなさんがひとつになる空間というのはめったにないなという貴重な体験をさせてもらいました」

――あそこの場面の撮影、じつは岩谷さんもいらっしゃったんですよね。

岩谷「ハイ。見に行きました。後楽園ホールで、ずっとずっと本番(試合)みたいなことやってるじゃないですか。一切手を抜くことなく、みんなが全力でやってると思って。だったら自分も全力で宣伝とか。自分でできることは宣伝なんで(笑)。全力でやっていかなきゃってすごく思った、ホントに」

ゆきぽよ「撮影に入る数か月前からみんなで練習をがんばってやってきたから、撮影するときにはもうひとつのクラスだったというか、ファミリーだったんですよね。その空気がたぶん会場に来てくださったお客様(エキストラ)とかみんなに伝わって、会場が一体化になったんじゃないかなって思ってます。すごい感動しました、私もあの場で。お客さんも私たちに協力してくれて、がんばって素敵な作品を一緒に創りあげてくれてるなと思った時に、メチャクチャ熱かったっす(笑)。胸熱でした」

平井「そうですね。プロレス好きの方はもちろん、プロレスを知らない方や、生きづらさを感じてるすべての人に、たくさんの方に届いて岩谷麻優選手の魅力、プロレスの魅力、たくさんの方に宇宙いっぱいに広がるように願っています!」

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