【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第78回】ケガでジムに行けないときの上手な休み方は?




今回は読者の皆様からの質問に答えていきたいと思います。質問はこちらです。

 

Q.週に3回ジムでトレーニングをしていますが、先日ケガをしてしまい、医師からトレーニングを禁止されました。ケガをしてジムにいけなくなったらどのようにして過ごしますか? ジムを我慢する良い方法があったら教えてください。

こちらの方は“ジムに行かないと死んじゃう病”に感染しているようですね(笑)。自分も同じなので、この気持ちはよくわかります。

 

トレーニングをすることが当たり前になっていると、休むのはなかなか大変です。自分も以前は休みなくトレーニングをしていたのですが、最近は週に1回、もしくは2週に1回くらいのペースで休養日をつくっています。年齢を重ねて、若いときほどの回復力がなくなっているので、あえて「この日は練習をしない日」と決めて、一切トレーニングをしないことを自分に課しています。トレーニングの一環として休んでいる感覚とでもいうのでしょうか。「しんどいけどトレーニングを頑張るぞ!」みたいな気持ちで、「しんどいけど休むぞ!」と思っています。

 

自分の場合、休むと決めたときは本当に動きません。冗談ではなく、動きを最小限にするくらい、本当に動かないんです。仰向けになりながら映画やYouTubeを見られるように、家にはiPadを設置できるスタンドがあります。これさえあれば、ずっと寝たまま過ごせます。他には映画館にも行きます。映画館に行ってしまったら上映中は絶対にトレーニングができないので、休日の過ごし方としてオススメです。

休日はゴロゴロしています

 

週に1回の休みくらいなら、これで乗り切れますが、ケガでしばらくの間ジムに行けないとなると、我慢するのは大変だと思います。自分が一番長く休んだのは、柔道時代にヒザの前十字靭帯を断裂したときです。約3週間入院して、退院後も2週間くらいは歩いていい時間に制限があったため、ほんとん家で過ごしていました。

 

どうしてもトレーニングができないのであれば、割り切ってその状況を受け入れるしかありません。中途半端にトレーニングをしてしまうと、負傷箇所を悪化させてしまったり、それをかばって他の場所を痛めてしまったりするリスクもあります。トレーニングをしたい気持ちをおさえて、ケガを早く治すことを第一に考えて過ごすのがいいでしょう。

 

たとえばケガの治癒が早まるように、いつもよりタンパク質を多く摂ったり、カロリーを多めにしたり、体に栄養をしっかり与えるようにすることも大事です。また、回復するために睡眠時間を長くすることもいいでしょう。せっかくの休養時間を有効に使うという考え方がいいと思います。

 

ちなみに自分も眼窩底骨折で入院したときは、「せっかくの機会だから勉強しよう」と思って、本をたくさん持って入院しましたが、1ミリも読みませんでした(笑)。読んでいたのはLINEマンガばかりです。勉強はダメですね。

 

最後にケガからの復帰の際に大事なことは、とにかく焦らないことです。自分の過去の経験からも、マッスルメモリーはあると感じていて、焦らなくても自然と筋力や体力は戻っていくし、それと同時に筋肉も戻ってきます。

 

ヒザの前十字靭帯断裂のときは、復帰に向けて毎日JISS(国立スポーツ科学センター)に通っていました。最初の1時間ケアをした後は3時間ずっとリハビリという名のトレーニングです。毎日リハビリが長くて通うのは嫌でしたが、医師やトレーナーさんが用意してくれたメニューをこなしていくことで、しっかり復帰することができました。

 

ケガからの復帰で一番怖いのは再発です。早く筋力、体力を戻そうと焦って無理をするのが一番危険なので、医師やトレーナーさんなどの指示にしたがって、リハビリ、トレーニングを行なっていくのがいいと思います。

 

まずはケガをしないようにトレーニング。ケガしてしまったらしっかり休養。復帰のときは慎重に。これでよろしくお願いします。

 

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW