「つねに未来が見えていた」ダンサー時代から一変、手探りでフィットネスの道へ【千原由理奈(後編)】




“夏が一番似合う男性・女性を決める”がテーマのボディコンテスト『SUMMER STYLE AWARD』(サマスタ/SSA)。そんな舞台で団体公認のプロ選手として活躍するのが千原由理奈さん、25歳だ。そんな彼女の原点はダンスであり、オリックス・バファローズ球団公式ダンス&ヴォーカルユニット『B’sGirls(ビーズガールズ)』に2021年まで所属していた。

オーディションに受かったのはダンスの専門学校を卒業後のこと。幼少期からの夢だった活動を続ける中だったが、彼女の中では徐々に次の道が見え始めていた。

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フィットネスの世界でチャレンジを続行

「ダンスってやっぱり見られるお仕事なので、『スタイルづくりもちゃんとしなきゃ』という思いがずっとありました。それでトレーニングを続けていたんですけど、筋トレって鍛えたぶんだけ自分の変化が目に見えるじゃないですか。もともと目標に向かって努力を積み上げるのが好きなタイプだったので、自分にピタッとハマったんだと思います」

トレーニングにのめり込むうちに、徐々に「フィットネス業界に転身したい」という思いが大きくなった。B’sGirlsに3年間在籍した末に転身を決めたが、もちろん飛び込んだ先はまったくの異世界。つねに未来のビジョンを思い描き、明確な目標に向けて進んできた千原さんにとって、今までとは真逆の状況だった。

B’sGirls時代の千原さん

「小学校の時には行きたい高校が決まっていましたし、中学校の時には専門学校が決まっていたり、人生の中でずっと先が見えていました。だからこそ、見えなくなった時は正直不安でした。怖かったですけど、恐れずにいろいろなことにチャレンジしたら自分にハマるものがだんだん見えてきました。そのひとつがサマスタだったんです」

手探りの日々で手掛かりにしたのは周囲からの声だった。サマスタの出場も友人からの誘いによるものだ。周囲の仲間が背中を押してくれたからこそ、勇気を持って前に進むことができたと振り返る。

「私、じつは周りからの声に流されやすいし、優柔不断なんですよ。でも、フィットネスの世界に入ってからはそれがいいほうにはたらいて、『あれをやってみたら?』っていう声に正直にチャレンジした結果、自分にバシッと合うものに出会えたので、すごくよかったなと思います」

振り返るとダンサー時代を支えてきたのは、つねに描いていた中長期の目標だったと語る千原さん。ただ、今は少し違うのだと言う。

「今は正直、先のことに不安はありますよ。でも、積み上げた経験と支えてくれる人たちがいるので、大丈夫だって思えます。昔はダンスをできる環境もなくて、トレーニングも何もわからない中でしたけど、今は整った環境があって、応援してくれる人も自分を頼ってくれる人もいます。自分の挑戦は私ひとりのためのものじゃないんだなって、最近すごく思います」

現在は音楽に合わせて体を動かす、ブレイクダンスが起源のエクササイズ『HIIT THE BEAT』の講師を務めたり、2023年2月からは自身が代表取締役を務める『株式会社スキシアムプロダクション』を起業し、フィットネス関連事業などを行なったりしている。これらはすべて千原さんの経験を結集したものだ。

「私を必要としてくれる人がひとりでも多く増えたらいいなと思います。コンテストでも、感動だったり勇気だったり、見てくれた人に何か感じてもらえるようなステージを見せたいです。自分が誰かと会った時には何かを与えられるように。そんな人間になっていきたいですね」

ストイックなハートを支えるのは類まれな挑戦心。そして「やればできる」という自信だ。挑戦の歴史から得たものを多くの人に還元するべく、これからも千原さんはコンテストのステージに立つ。

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