プロレス好きが高じ、芸能界からプロレスラーに転向した白川未奈。2018年8月にデビューをはたし、20年10月からスターダムに参戦。現在は日米をまたにかけた活躍を本格的にスタートさせており、国際的な飛躍も期待されている。
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大ファンでもあったプロレスを実際に始めた白川だが、過去にこれといったスポーツ経験はなかった。それでもプロレスラーになるにあたり、あこがれたレスラーの動きや技を見てきたことが役立っており、“好きこそものの上手なれ”を実践していると言えそうだ。クラシカルなムーブや一点集中攻撃がその典型。また、実際にやるようになってから気づいたことが多く、自分からさまざまなトレーニングを取り入れるようになったという。
「もともとスポーツの経験がなかったこともあって、体幹がしっかりしていなかったんですよ。デビューはしたけれど、試合をするようになってあらためてそこに気づいたんですね。それで、体の軸をしっかりさせるために打撃の練習を取り入れるようになりました。プロレスって何はともあれスタミナが大事なので、ミット打ちをやることでスタミナがつけられます。たとえば、2分間打ち続けて1分のインターバル。これを6ラウンドくらいやります。ミットのときもあるし、レガースをつけて対面でやるときもありますね。ひたすら蹴り返すことで、かなりスタミナがつきました。なので、スタミナに関しては若い子(選手)よりも自信あるんですよ(笑)。最初から最後まで技のクオリティーは100%じゃないと相手もケガさせるし、プロレスって見せるものでもあるから、最後までしっかりした自分を見せないと。そのためにもスタミナは絶対に必要です。打撃の練習をすることで体幹が鍛えられ、スタミナに加えて瞬発力もつきました」
地方巡業中もミットを持ち歩き、試合前に打撃の練習を行なうことも多い。また、柔術をはじめとする格闘技の練習も、プロレスに応用するために取り入れている。
「柔術は相手の道着を引っ張るので、前腕がものすごく鍛えられるんです。引く力がつくと、ロックアップをしたときに引いて自分が勝てる。持ち上げるときにもけっこう前腕の力が必要になるので、柔術は技術はもちろん、力をつけるためにもいいので一石二鳥です。総合の練習を始めたのは、格闘技の大会に出たいとかではなくて、プロレスの動きにベーシックなものを与えてくれると思ったので。実際に、私のプロレスにすごく活かされていると思います」
また、ボディメイクも女子プロレスラーには重要事項だ。より魅力的に見せるために、白川はどんな体づくりを行なっているのか、聞いてみた。
「そこに関してはプロレスを始める前からやっていたので、じつはウエイトトレーニング歴が10年くらいあるんですよ。内容は、その時代によってけっこう変えていますね。たとえば、(レスラーになって最初の頃は)大きい相手を倒したいと思ってけっこう重い重量を担いでいました。脚なら100キロくらいかけてスクワットして加圧もしたり。また、60キロくらいを背負って脚が床と平行になる、一番きついところで止まるスクワット10回を1セットにしてやったりしましたね。それって、脚を太くしたかったからなんです。実際にメチャメチャ太くなりました。走るのも速くなって、すごく効果がありましたね。ただ、ヒザに負担がかかるのも事実で、試合でダメージのあるときとかにはテーピングして、状態を見ながらピンスクワットなどやり方を変えています」
では、練習頻度などはどうしているのか。
「厳密に何曜日と決めることはできないんですけど、(ジムに)行けるときは毎日行くようにしてはいます。行ったら、1時間と決めてやっていますね。背中と胸の日は分けて。脚は、最近ではあまり高重量を上げないようにしているので、毎日でも。まあ、脚というよりお尻かな。上半身は分けてやるけど、下半身は可能なら毎日できますね。あと腹筋は絶対に毎日。しかも、最後の仕上げで腹筋をします。私が目指しているのは、ただデカいだけじゃなくて逆三角形のラインです。私ってウエストのくびれを褒められることが多いし、そこが自分の体の特徴でもあると思うんです。なので、肩の筋肉や広背筋をつけて、ウエストをキュッと絞って、お尻を大きく。そこを目指すのが、私の体づくりですね」
(後編に続く)