剛腕女王・竹中絢音、初のプロマッチで感じた「魅せるアームレスリング」の難しさとプロの在り方




アームレスリング世界チャンピオン・竹中絢音が世界最高峰のアームレスリング大会「EAST VS WEST13」(7月6日、トルコ)に出場し、RIGHT ARM LIGTWEIGHT 60kgWORLD TITLEに挑戦。ワンマッチで破れたものの気迫あふれる戦いで会場を沸かせた。ここでは、大会後の彼女のインタビューをお届けする。

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――大会を終えて率直にいかがでしたか。

「今回はワンマッチで、絶対に勝とうと思って臨みましたが、負けてしまい悔しかったです。7本勝負の4本先取制で、初めに私が2本取ったんですけど、後から4本取り返されてしまいました」

――初のプロマッチという点で感じたことは?

「とくに試合の見せ方で今までとの違いを痛感しましたね。プロマッチは競技でありつつ興行なので、どれだけアームレスリングを知らない人にもわかりやすく、楽しんでもらえるかが大事になります。そういった狙いでルールが調整されていたりしたので、今までWAFで戦ってきたルールと少し違う部分がありました。ルールが変わると戦略も変わってくるので、そこがひとつの難しさでした」

――具体的にどういった点に難しさを感じましたか?

「ルールの使い方で流れが左右されるところですかね。たとえばWAFのルールだと、勝敗がつく直前に劣勢だったほうがファールをしても、ファールは取らないようになっています。意図的にファールをして、試合を仕切り直しにしないようにということです。ただ、プロ戦ではこのルールが適応されません。意図的にファールをして流れを変えたり、仕切り直すこともひとつの技術になるんですね。他のスポーツではファールを使った戦術はよくある話だと思いますが、慣れないので少し戸惑いました。見る側からすると純粋な力比べだけじゃなくて、先が読めないドキドキ感があると思うので、そういった点では『魅せるアームレスリング』のひとつの形ではあるのかなと思います」

 

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――竹中さんは以前から「世界最強」を目指しつつ、アームレスリングのプロになる未来を見据えてらっしゃいました。今回のプロ戦で手ごたえをつかんだ点はありますか。

「試合もそうなんですけど、試合の前に選手や主催者など関係者全員で集まって、プロの在り方について考えを話し合う機会があったんです。そこで、プロとしてアームレスリングを見せていく中で、どれだけ選手ひとりひとりを認知してもらうかという課題が見えたりしました。たとえば選手のキャラクターを立たせて、アームレスリングを知っているコアなファンだけでなくて、より一般層のファンをつくれるかなど、具体的な話も出たりしました。そういう話を通して、プロに必要なのは強さだけじゃないと思いましたし、考え方がかなり変わりましたね」

――それは貴重な経験でしたね。今後の目標としてはどこを目指していきますか。

「今回は負けてしまったんですけど、今年の秋にもう一度『EAST VS WEST』で今回戦った相手とタイトルマッチをさせてもらえるという話をいただいたので、そこに向けてまたがんばっていきたいと思います。8月にはWAF世界大会もあるので、そこでしっかり勝ってリベンジマッチに臨みたいです」

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