ボディビル・フィットネスコントスト団体「FWJ(Fitness World Japan)」が16日、2025年よりドーピング検査を行うコンテスト「ナチュラルリージョナル」と「ナチュラルプロクォリファイ」を開催することを発表した。
「ナチュラルリージョナル」は国内で開催されるコンテストで、全ての参加者のうち、該当するアスリートに対してドーピング検査を実施。「ナチュラルプロクォリファイ」は、上記に出場したアスリートを対象に、IFBB PRO LEAGUEのプロカードを獲得するためのコンテストとなる。
両大会においては、IFBB PRO LEAGUEの方針に則ってドーピング検査を実施し、対象はオーバーオール(各クラス優勝者による無差別級の審査)進出者となる。大会の開催日程や禁止薬物の詳細は後日発表としている。
日本国内においては、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)がJOC傘下の団体としてアンチドーピングを徹底的に掲げ、独自の簡易ドーピング検査なども導入しながらスポーツとしてのボディビルコンテストを開催してきた。その一方でFWJは、ドーピング検査はこれまで行なっていないものの、鮮やかな演出などを含めたショー的な要素も持つコンテストであり、その先にはボディビルの最高峰「ミスターオリンピア」続く大会として人気を博してきている。
昨年、カーリングの藤沢五月がFWJに出場したことで大きな話題となったが、オリンピック出場経験があり、次のミラノ・コルティナダンペッツォ大会への期待がかかる彼女がドーピング検査のない大会へ出場したことに対して、疑問の声もゼロではなかった。「ナチュラルなら検査のあるJBBFで」というのが、現状の日本のボディビル・フィットネス業界においては、多くの人が持っている考えであろう。
詳細は未発表ながら、FWJが「ナチュラルの大会」の開催することで、業界に大きなインパクトを与えることは間違いなく、縮図が変わっていく可能性もある。今後の動向に注目していきたい。
文/木村雄大