大本命は山本俊樹、「使う」筋肉から「魅せる」筋肉で東京の頂点へ【JBBF】




ボディビルの東京No.1決定戦「第59回東京 ボディビル選手権大会」が8月3日(土)、葛飾区・かつしかシンフォニーヒルズで開催される。現日本チャンピオンの相澤隼人をはじめ、白井大樹、喜納穂高ら日本選手権ファイナリストを近年も多く輩出しており、いち都道府県大会の枠を大きく超えた最激戦区のボディバトルである。

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優勝者=「ミスター東京」となった者は“卒業”となるため、昨年の上位入賞者が必然的に上位を争う可能性が高い。2024年の大本命は、昨年2位の山本俊樹だと言って異論はないだろう。

(左)山本俊樹、(右)四十物悠弥

ご存知、東京2020オリンピックに出場した日本屈指のウエイトリフターであり、昨年から期間限定でボディビルに挑戦中。ルーキーイヤーは東京クラス別選手権、東京選手権、日本クラス別選手権の3大会に出場し全て準優勝となったが、大会を経るごとに完成度が向上。10月のジュラシックカップではシーズンベストとも言えるボディを披露し、東京選手権で敗れた阿部ロイを上回ったのは印象的であった。元来の筋肉量は十分で、全体的なバランスや、ポージングをいかに向上できるかがカギとなるだろう。筋肉を“使う”ことを極めた男が、筋肉を“魅せる”ことにさらなる磨きをかけ、2年目で東京の頂点を目指す。

昨年3位の四十物悠弥(あいもの・ゆうや)も虎視眈々とトップを狙う存在。2021年の東京ノービス選手権で競技デビュー、コンテストの登竜門・マッスルゲートやゴールドジムジャパンカップなどで実績を積み、昨年はついに東京3位に。芸術的な表現力を発揮した選手に贈られる「ベストアーティスティック賞」も獲得しており、山本とは対照的な「美」のボディビルで挑んでいく。

その他、清水隆太郎、野上駿、泉風雅、眞野太朗、堀内誠、野中直紀、土金正巳ら昨年ファイナリストも順当にエントリーしている。

(左)刈川啓志郎、(右)坂本陽斗

そんな中堅・ベテラン勢を一気に捲くるべく、大人の世界に殴り込みをかける注目株が昨年の学生チャンピオン・刈川啓志郎だ。現在は学習院大学4年生だが、昨年の学生大会後には一般部での戦いに専念することを宣言。サッカー仕込みの極太バリバリの脚を武器にしながら、パワフルさと繊細さも兼ね備えたフリーポーズを魅力として持つ。

また、今大会最年少、スーパー高校生として2021年に界隈を賑わせた坂本陽斗(日本体育大学3年)もポテンシャルは十分。昨年は試行錯誤を重ねながら、シーズン最後のジュラシックカップでは粗さはありながらも持ち前のバルクを見せており、仕上がりが楽しみだ。

ジュラシックカップ・オープンクラス優勝の櫻原國明、ゴールドジムジャパンカップ2023・75kg以下級優勝の永田大智など、名前を挙げればキリがないほどの実力者が集って覇を競う今大会は、山本が最有力ではあるものの、誰が頂点に立ってもおかしくはない。44人の頂点に立ち、「ミスター東京」の称号を手にするのは誰か? 真夏の熱戦に期待したい。

【昨年大会結果】
優勝:阿部ロイ
第2位:山本俊樹
第3位:四十物悠弥
第4位:寺山諒
第5位:三井一訓
第6位:清水隆太郎
第7位:野上駿
第8位:泉風雅
第9位:眞野太朗
第10位:堀内誠
第11位:野中直紀
第12位:土金正巳

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文・写真/木村雄大