衝撃走る! ボディビル東京No.1をつかんだのは現役大学生「一気に出て一気に獲ろうと考えていた」




ボディビル激戦区・東京に衝撃が走った。8月3日(土)、かつしかシンフォニーヒルズにて開催された『第59回東京ボディビル選手権大会』は、もはや一都道府県大会の枠を超えたハイレベルなステージとなった。

【フォト&ムービー】極太バリバリの脚で東京を席巻 学習院大学4年・刈川のステージショット

そんな舞台でこの日一番の衝撃を生み出したのが、学習院大学4年生の刈川啓志郎だ。2023年の全日本学生選手権王者である彼だが、なんせ舞台は44名がエントリーした最激戦階級「ミスター東京」。前回大会準Vの山本俊樹、3位の四十物悠弥など昨年のファイナリストを筆頭に挙げればキリがないほどの実力者が揃った舞台は一筋縄ではいかない。

そんな中で迎えた予選審査。山本、四十物、泉風雅、野上駿と昨年の入賞者たちに加えて、刈川の名前が呼ばれると会場は大熱狂。全身のバランスはもちろん、サッカー由来の太さと繊細なカットを兼ね備えた脚で存在感を放ち、フリーポーズではアップテンポな洋楽ナンバー「Facing Fears」に乗って躍動。見事に東京チャンピオンの称号を引き寄せた。

「今の気持ちは嬉しいのと、安心したっていうのが大きいです。ミスター東京は一度2位や3位を獲ってしまうとそのイメージがついてしまって、ずっとそのまま行ってしまうかなと例年見て思っていたので、“一気に出て一気に獲る”っていうのを考えていました。やっぱり日本一を目指していく中、東京は獲らないといけない大会でしたので」

フリーポーズについては、去年の全日本学生選手権の頃から「東京選手権はこの曲」と決めていた楽曲があったそうだが、2週間前に急遽変更したと明かした。

「ポージングを教わっている吉田(真人)先生からアドバイスをいただいて、『挑戦』のテーマに合うアップテンポの曲に変更して練習してきました。去年は全日本学生の優勝をいただけて光栄だったんですけど、絞りやステージングなどの面で課題が残る大会でした。今年は成長した姿を見せられていたらうれしいです」

今大会のステージに手ごたえを感じつつ、「自分は背面の完成度が甘いと思うので、まだ改善するところがあると思います」と底なしの向上心を見せた刈川。次は今月後半の日本ジュニア男子ボディビル選手権にエントリーしているが、腰のケガの治り具合次第では見送る可能性もあるとのこと。その後は経過を見つつ、国内最高峰の舞台・日本選手権への挑戦を見据えている。

東京を沸かせた規格外の大学生ビルダー・刈川啓志郎。今後のボディビル界を賑わす存在であることは間違いない。

【次のページ】刈川のステージショット、インタビュー&比較審査動画