積み上げるは「一番」になるためのトレーニング メニエール病にも負けない美筋ボディレスラー【ZONES(後編)】




女子プロレス団体Evolution(エボリューション=エボ女)に所属するZONES(ゾネス)。アマゾネスを彷彿とさせる野性味あふれるルックスで存在感を放つ彼女は、セクシー女優や筋トレYouTuberとしても活躍するちゃんよたとのタッグ“マッスルシスターズ”としても注目を集めている。

【フォト】ZONESのマッスルボディをつくるトレーニングの様子

ちゃんよたからの刺激も受けつつ、ZONESはプロレススケジュールの合間を縫って筋トレを行なっている。プロレスの練習と筋トレはまったくの別物であるとはいえ、体づくりはもちろんプロレスに役立ち、鍛えた肉体が彼女のキャラクターにもなっている。では、ZONESは具体的にどのようなトレーニングを行なっているのだろうか。

「例えば、週に2回しかジムで筋トレできないとしたら、上半身と下半身に分けて鍛えます。もし4回行けるのならば、1週間で全身がまわるようにしますね。脚の日、お尻の日、胸と背中の日、腕と肩の日という分け方です。その週によって配分は変えています。どのようになったとしても、1週間で全身ができるように考えていますね」

プロレスの練習や試合との両立という面ではどうなのか。たとえば週末2試合、平日に1試合組まれれば、自ずとジムでのトレーニングは最大でも週に4回となるだろう。そこに道場でのプロレス練習も含まれる。

「プロレスはプロレスでまた別のトレーニングがあります。そちらの練習で筋肉痛になったり、試合でのダメージとかもあるので、それによってもジムでのトレーニング内容は変わってきますね。予期せぬ痛みがあったりすれば、そこでもまた変わってきます。理想としては、週に4回行けるとしたらボディメイクを意識した練習が週に1、2回。ほかで、プロレスの試合を意識しての敏捷性とか瞬発力を上げる練習もしたいです。ただ、最近はちょっと筋肉が落ちてしまった感じがするので、ジムではボディメイク優先でやりたいと思っているんですよね。なので、ジムではボディメイク、道場ではプロレスの練習に集中している感じです」

また、ZONESには持病がある。メニエール病という耳の病気だ。

「猛烈なめまいや吐き気を催すんです。発症して欠場とかなってしまうとまわりに迷惑がかかるので、スケジュールとかこちらも意識して調整しています。軽減させるためには、ストレスを溜めないことなんですよね。なので、筋トレもストレスにならないように行なっています。たとえば、週に4回絶対にジムに行かなくてはいけないと思わないことなどです。必ずやらなくてはとなってしまうと、それがストレスになってしまうのでよくない。週に4回行きたいけど、決して無理しては行かないです。行ける時に行けばいいやくらいの軽い気持ちでいたほうがいいんですよ。休んでもいいから、プレッシャーにならない程度に続けていくことが必要ですね」

メニエール病、試合のダメージとうまく付き合っていくことが必要だとZONESは言う。その中で体づくりを行ないながら、来年あたりからボディコンテストへの出場も復活させたいと意気込んでいる。もちろん、エボ女をもっと大きな団体にしたいとの野望も抱いている。

「エボ女とはどんな団体か?そうですね、急成長中の王道女子プロレス!私としてはそう思いたいし、そうしていきたいです」

プロレスでは、現在月に2回のペースで開催されているエボ女興行と、他団体参戦が2本柱。エボ女興行ではキャリアのある大物選手との対戦からスタートし、他団体では同世代の若手との闘いが主流だ。その中でZONESは昨年11月、センダイガールズプロレスリング主催の「じゃじゃ馬トーナメント」で優勝。若手レスラーナンバーワンの座に輝いた。このトーナメントでは準決勝でエボ女同門のChiChiに勝利。“闘うバービー人形”ChiChiとはシングルで自力初勝利を含む3勝1敗。2人のライバル関係も、エボ女の大きな見どころだ。このツートップが、エボ女興行で独特の空間をつくり出していると言っていい。

「エボ女興行には、私やChiChiががんばって連れてきたプロレスをあまり知らないお客さんもたくさんいるし、全日本プロレスから流れてきてくれる方もいます。また、私とChiChiが他団体に出ることで知ってくれて、エボ女の会場に来てくれる女子プロレスファンもいます。こういった組み合わせの客層から生み出される熱気がすごくて、他団体からの参戦選手がみんな驚くくらいなんですよね。なので、そこはすごく誇りに思っています。将来的には、海外でも興行ができるくらいの日本一の女子プロレス団体にしていきたいですね!」

また、個人的には「地球で一番強くて美しいレスラー」が目標。そのためのトレーニングにZONESは今後も励んでいく。

「筋トレには、私的に考えてる段階があるんですよ。まずはパーソナルトレーナーから正しいフォームを教わって身につける。結果が出てくるとだんだん楽しくなってくるんです。2段階目が、コンテストに出たくなってよりいっそう体作りをして絞ったりする。第3段階が、筋トレやコンテストを通じていろんな人と知り合い、人とのつながりを楽しむ。今の私はレスラーになって、第4段階。体のダメージとも付き合いながらトレーニングをするんですけど、何年も筋トレやってるとダメージを気にしたり、慣れもあったりでフォームが自己流になって乱れてしまうことがあるんですよね。たとえば姿勢がちょっと悪くなってきたりとか、効かせたいところにあまり効かなかったり。なので、あえてパーソナルをつけて見てもらい、細かい修正をしています。慣れたからこそ基本に還ることが必要かなとも思います。そのすべてが地球で一番美しくて強いレスラーになるため。なぜって?それはやっぱり、一番がいいからです!」

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