8月25日(日)、東京・きゅりあん(品川区立総合区民会館)で開催された、「第36回日本ジュニア男子ボディビル選手権大会」。23歳以下の日本一を争う今大会において、ボディビル70kg以下170cm以下級で優勝、階級の壁を越えたオーバーオール優勝も獲得したのが渡部史也、23歳だ。
ステージで「もともとはフィジーク(バランスのいい肉体美、スタイリッシュさが求められる部門)に出ていて、今回がボディビルデビューでした」と話すとどよめきが起こるほど、彼の肉体はボディビル寄りでゴリゴリだった。
肉体の追求は野球部に所属していた高校時代から始まった。社会人になりジム通いを始めると、ジムスタッフに競技を勧められ、フィジークカテゴリーに出場。「そこで沼った感じですね」と競技の魅力を知った。
コンテスト選手の登竜門「マッスルゲート四国大会」(2021年)で見事優勝。その後はJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の階級別全日本選手権「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス」のジュニアカテゴリー(23歳以下)で優勝をはたしたが、一般カテゴリーに挑んだ2022年は5位、2023年は12位と成績が振るわなかった。
自身が求める肉体のサイズを上げるほど、全身のバランス、スタイリッシュさが求められるフィジークの評価基準とは離れてしまうジレンマが生まれた。
「体はでかければでかいほどカッコいいと思っているので、脳みそ的にボディビル向きだったんでしょうね。フィジークの時はもちろんバランスを意識していたんですけど、やっぱりデカくなりたいなと思って転向しました。マスキュラーフィジーク(フィジークよりひとまわり筋量が求められる部門)などの選択肢はなくて、やるならとことん突き抜けてしまえと思いました」
日頃は交代制の工場勤務を行ないつつ、週7日のトレーニングを日課としている渡部。追い求める肉体を真摯に追求し、自らにマッチしたカテゴリーで開花した。
今後の目標について「日本選手権ファイナリストです。時間はかかると思いますが、5年かけて到達したいです」と語った渡部。これからも肉体美と競技成績を追求すべく、日々トレーニングに励んでいく。