佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.44~志水辰也




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回登場するのは2010年からパーソナルトレーナーとして活動し、10代~80代まで幅広く指導を経験してきた志水辰也トレーナー。安田大サーカスのクロちゃんのトレーナーでもある志水トレーナーの歩みを紹介してきます。

小中学校時代は野球に取り組んでいた志水辰也トレーナーは、野球→プロレスの流れで筋肉、トレーニングに興味を持っていったと言います。CS放送GAORAで阪神戦、日本ハム戦などの野球中継を観るなかで、同局で放送されていた闘龍門(現DRAGONGATE)のプロレスを知り、プロレスへの興味が大きくなっていきました。

 

「元々はCS放送のGAORAで野球を観ていて、そのなかで闘龍門のプロレスも観るようになりました。最初はテレビだけでしたが、父に会場に連れて行ってもらったときから、レスラーの肉体とか、トレーニングに興味を持つようになって、中学生のときから公共のスポーツセンターでトレーニングをするようになりました」

 

早くからトレーニングに関わる仕事をしたいと考えるようになった志水さんは、高校卒業後の進路としてトレーナーの専門学校に進学します。当時はパーソナルトレーナーの需要はそれほど大きくなかったものの、志水さんの目標はパーソナルトレーナーになることでした。

 

「当時はカリキュラム的にもテーピングとか、アスレチックトレーナーとしてスポーツチームに帯同するというのがあって、そういう勉強もしていました。ただ、自分はお客様に指導するパーソナルトレーナーのほうが合っていると思っていて、そっちの道を目指せるようにフィットネスクラブで働くことになりました」

 

最初からパーソナルトレーナー志向だった志水さんは、フィットネスクラブでアルバイトとして働きつつ、当時はまだ珍しかったパーソナルトレーニングジム「ミッドブレス」でもスタッフとして勤務。実戦で学びながらパーソナルトレーナーとしての力量を高めていきました。

 

「2010年にトレーナーとして働き始めた頃、勤めていたフィットネスクラブではスタッフとして働きながら、パーソナルトレーニングも担当させてもらえました。バイトのシフトが終わった後に、場所を使いながらパーソナル指導が可能だったんです。ところがあるときから制度が変わって、それができなくなってしまい、フィットネスクラブはやめて完全に独立したパーソナルトレーナーとしてやっていこうと決めました」

 

金銭的に安定しているフィットネスクラブで働く道を選ぶこともできましたが、志水さんはパーソナルトレーナーの道を選択。独立した2013年当時は、今ほどパーソナルトレーニングの需要が多くない時代で不安もあったものの、それ以上に「お客様と一緒に頑張れるのが魅力です」という、やり甲斐の大きさを選びました。

 

「2013年当時は、筋力アップやダイエットがパーソナルを受ける方の目的としては主流でした。たとえばダイエットが成功していく過程であったり、ベンチプレスの重量が上がっていく過程を一緒に共有できたり、そうしたなかで人間関係を構築できる楽しさがパーソナルトレーナーの魅力だと思います」

キャリアを重ねるなかで、パーソナルトレーニングの需要が拡大し、それに伴いお客様のニーズも多様化。筋力アップ、ダイエット目的だけでなく、近年は機能改善を望む人が増え、その必要性を感じていると言います。

 

「トレーニング方法は日々進化しているので、自分をアップデートさせていかないといけないと思って、今もスクールやオンラインサロンで学ばせてもらっています。現在は姿勢に関する問題を抱えていたり、腕が上がりにくいなどの機能不全を感じる方が多かったりする印象があります。これまではプロレスラーやアスリートの方を見る機会も多かったのですが、普段から体を使っている人と、デスクワーク中心で体を動かす機会が少ない方では指導の仕方がまったく違ってきます。いろいろなお客様に対応できるように、もっともっと体に対する理解を深めたいと思っています」

 

自身のアップデートに余念のない志水さんのトレーナーとしてのモットーは「親身になること」。短期間で成果を求めるのではなく、体を動かす習慣を長く続けていってほしいと考えています。

 

「お客様は変化を求めてパーソナルを受けるわけですが、短期間でというよりは、目標に向かってゆっくりでもいいから一緒にやっていけたらと考えています。そのためには自分はとくに休みの日は決めず、『いつでも連絡してください』という形でお客様と接するようにしています」

 

お客様ファーストを掲げる志水さんは、お笑いトリオ・安田大サーカスのクロちゃんのパーソナルトレーナーも長きにわたって務めています。元々は番組のダイエット企画から始まったものですが、企画の枠を超えてトレーニングやケアを任されて続けているのは、そのスタンスによるところが大きいと言えるでしょう。

 

「仕事柄、黒川さん(クロちゃん)は、朝が早いときもあれば、夜遅いときもあります。幸い自宅にダンベルやバランスボールなどの器具があるので、仕事の前後の時間にうかがわせてもらってトレーニングやケアをさせていただいています」

 

このフットワークの軽さが志水さんの強みとも言えるかもしれません。お客様のニーズに応えていくために、今は自身の店舗を持つよりも、いつでも動けることを大事にしたいと考えています。

 

「ベースとして決まった曜日、決まったジムでのパーソナルもありますが、出張パーソナルも含めて、お客様のニーズに応えていけたらと思っています。それと同時にプレイヤーとしてもっと自分の知識やスキルを高めることも同時にやっていきたいです。お客様のどんなニーズにでも応えられるのが理想です」

 

24時間ジムならぬ、24時間トレーナー。志水さんはいつでも、どんな要望にも応えられるトレーナー、究極のお客様ファーストを目指してトレーナー活動を続けていきます。

 

というわけで、今回はここまで。次回は実際のパーソナルトレーニングを体験させていただきます。

 

【トレーナーPROFILE】
志水辰也(しみず・たつや)
専門学校卒業後、大手フィットネスクラブでトレーナー、スタジオインストラクターを経験し、2010年からパーソナルトレーナーとして活動。10代~80代まで幅広い年齢層にトレーニングを提供する一方で、プロレスラーのパーソナル指導の経験も持つ。フルマラソンの自己ベストは3時間26分。

【パーソナル情報】
〈活動場所〉
★かたぎり塾旗の台店
月、水、木、土
60分7700円※無料体験あり
★心身健康倶楽部 四谷店、碑文谷店
60分6600円 90分9900円
〈パーソナルの申し込み〉
アスミエ、もしくはX・InstagramのDMより予約、相談可
レンタルジム使用の場合は
60分8,000円+レンタルジム代
90分11,000円+レンタルジム代
X  Instagram

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。