フィジークキング・伊吹主税、アップデートした肉体美でV4達成 記録更新の先に目指すは「異次元の存在になること」




9月29日(日)、岡山県芸術創造劇場で開催された「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス2024」。フィットネス競技の年齢無差別・身長別で争われる日本一決定戦において、メンズフィジーク176cm以下級で伊吹主税が4連覇を達成した。

【フォト】アップデートしたボディでステージに立つ伊吹

身長無差別級で日本一を争う「フィットネス・ジャパン・グランド・チャンピオンシップス」(通称グラチャン)でも3連覇がかかっている伊吹は、まさにフィジークキングと言って差し支えないだろう。そんな彼が今年掲げたテーマは「楽しく大会に出ること」だった。

「僕自身、今年は自分の好きなフィジークを追求して、なりたい体になるためのトレーニングをすることができました。オールジャパン選手権も楽しむことができて、グラチャンに向けていいステップが踏めたので、素直にうれしいですね」

昨年はフィジークの審査基準が見直された関係(おおまかに言うと、筋量が規格外の選手は評価されにくくなった)で、筋トレで体を大きくしたいが、我慢も必要というジレンマが生まれた。その中でもしっかりと大会に照準を合わせた伊吹は、2022年からマイナス1kgの仕上がり体重でオールジャパン選手権とグラチャンを制覇。今年はフィジークらしさを残したまま、適度なサイズアップを図った体を目指してきた。

「昨年、基準に合わせに行った一方で、IFBB世界選手権ではサイズ不足を感じたところもありました。今年はトレーニングを全開放して、仕上がり体重として1.5kg増やした体をつくることができました」

新幹線の運転士からトレーナーに転身したことも相まって、よりフィットネスに全力投球できる環境を手に入れた。週あたりのトレーニングも3分割から5分割に変更し、今まで注力できなかった部位へのアプローチや疲労除去にも取り組むことができたと振り返る。オールジャパンV4に続きグラチャンでも連覇を成し遂げ、思い描く理想のトップ選手像を目指していく。

「トップ選手は異次元の存在でありたいと思っていて、今年こそそれになりたいですね。今年はグラチャンの3連覇がかかっているので、寺島遼さんの連覇記録を超えるとなると、伝説に近づけるんじゃないかなと思います。来年・再来年のことはまったく考えていなくて、とりあえず今年の大会に全力で臨もうと思っています。グラチャンも優勝して、12月に東京で開催されるIFBB男子ワールドカップにつなげていきます」

【次のページ】伊吹のステージショット集