フルコンタクト空手の体重無差別級日本一を決める「第56回全日本空手道選手権大会」が10月5日-6日の2日間、東京体育館で開催される。
全日本大会は世界106の国と地域に約10万人の会員数を有する「全世界空手道連盟 新極真会」が主催する国内最高峰の舞台であり、半世紀以上の歴史を誇る伝統ある大会だ。
新極真会では4年に一度、無差別級の世界大会が開催されており、選手たちは世界チャンピオンを目指してしのぎを削っている。今年は世界大会翌年のため、ここから新たな4年が始まるスタートの年だ。
男子は2023年の世界大会(第13回全世界空手道選手権大会)王者であり、全日本大会を3連覇していた入来建武が引退したことで、空位となったエースの座を誰がつかむのかが大きなテーマとなる。
最有力となるのは、世界各国から集結した8名(男女共)によるプレミアムトーナメント「第1回空手Champion of Champions」(KCC、2024年7月開催)を制した岡田侑己だろう。日頃は公務員として市役所に勤務する27歳が、華麗な蹴り技を武器に新エースの座をつかみにいく。
重量級離れしたスピードと破壊力抜群の突きが光る渡辺優作、前に出続けるリミッター知らずのオフェンス力は選手随一の多田成慶、第13回世界大会7位の成績を残した18歳・遠田竜司も岡田を追随しており、実力伯仲の闘いとなるだろう。
加えて海外からも第12回世界大会準優勝のマシエ・マズール(ポーランド支部)を筆頭とした精鋭たちが参戦。半世紀以上、所属の日本人が守り抜いてきた伝統の王座を虎視眈々と狙っている。
女子は、現在19歳にして第13回世界大会優勝、第1回KCC優勝、第54回全日本大会優勝の実績を誇り、独走状態にある鈴木未紘を止める者が現われるかがテーマとなる。
長身から繰り出すヒザ蹴りを武器に、第13回世界大会準優勝の成績を収めた網川来夢、2大会連続で鈴木と好勝負を展開している藤原桃萌、国内外で入賞の常連である”高速パンチ女子”こと目代結菜といったライバルたちが、鈴木の連勝にストップをかけるか。
さらに、今大会から全日本で型部門がスタート。男子は国内全国大会(カラテドリームフェスティバル)でしのぎを削り、ともに世界大会3位の成績を残した中内功大、田中健太を中心とした闘いになりそうだ。女子は、第13回世界大会で型部門を制している岡山の女子大生・田中利奈が世界タイトルを引っ提げ、国内最高峰でも頂点獲りを狙う。同世界大会で準優勝の山中咲和はリベンジを誓っており、初代全日本型チャンピオンの座を巡る熱戦が展開される。
組手男女、型のいずれも、新たな時代の幕開けとなる今大会。初秋の心地良い涼しさの中、東京体育館の熱気が急上昇する闘いとなることは間違いない。
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