「ボディビルダーが輝ける言葉」を添えた日本一マッチョなアナウンサー 大盛況の筋肉大会を彩った二人のMC




名勝負には名実況がつきもの――。サッカーや野球などのメジャー球技、あるいはプロレスなど格闘技の界隈には必ず、試合を盛り上げ、観る者の高揚感を高める“声”を届けるアナウンサーの存在がある。10月19日に開催されたジュラシックカップ2024では、ボディビル界も“その男”の存在があることを印象付けられた。

【動画】マッチョアナの声で雰囲気は最高潮!グランドクラス入場シーン

この日、大会の司会を務めたのは、“日本一マッチョなアナウンサー”と自称する雫石将克。もともと高校、大学と野球に打ち込んでいたが、大学4年生になるときにアナウンサーを目指して始めて専門学校へ進み、高知放送に入社。スポーツを中心に幅広く担当し、2022年からはフリーで活躍していながら、パーソナルトレーニングジムも経営している。

トレーニーとしてもベストボディジャパンやJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の大会にも出場するなど、筋肉とアナウンスを両立する男の一人と言っていいだろう。

このジュラシックカップにおいて大きな盛り上がりを見せたシーンの一つが、最高峰のグランドクラス24人の入場シーンだろう。全員に“異名”が付けられ、派手なライティングを気持ちが高まるBGMの中、雫石の声で一人一人の紹介がされる中で選手がポーズをとるシーンは、まさにジュラシックカップならではの演出と言えるだろう。

実際に選手たちもいつも以上にハイテンション、会場をあおる選手も多数。優勝した刈川啓志郎には“昇龍”(のぼりりゅう)という異名が付けられたが、一瞬暗転しBGMもストップ、時が止まった中「昇竜」というコールと共に刈川が姿を見せた瞬間には、「カッコよすぎる」という声が多数集まった。

大会後、主催者の一人であるジュラシック木澤のYouTubeチャンネルのハイライト動画に登場した雫石はこの日のMCについて、「私自身もボディビルダーなので、選手が輝ける言葉をどれだけ添えられるかを気を付けていました」と話している。

「選手の背景や想いをステージ上で伝える大会はあまりないと思っています。言葉は選手を印象づけるものになると思うので、初めてボディビルを見た人が『●●と言えばあの選手』と1人でも思える演出ができたのならとてもうれしいです」とも語り、刈川自身も大会後に開設した自身のYouTubeチャンネル名を「“昇龍”刈川啓志郎」と名付けるなど、雫石の思いが伝わっているのではないだろうか。

また、雫石と共にMCを務めた安川侑希の存在も忘れてはならない。こちらも主催者の一人である“狂気の男”合戸孝二の下に入門し、マッスルゲートなどのボディコンテストに出場している“女子アナトレーニー”だ。彼女も大会の感想をこう述べている。

「去年も大きく盛り上がって期待も高まる中での第2回だったので、正直、去年をどこまで超えていけるのか…と思っていました。でも、そんな心配はまったくいらない、見たことがないぐらいの盛り上がりでした。お客さんはもちろん、選手の皆さんがすごくイキイキとポージングをしていて、それを見て何度もウルウルときていました。大会のコンセプトとして“選手ファースト”を掲げているので、私自身は、選手の皆さんが戸惑ったときにお声掛けしたり、誘導したりして、少しでもお手伝いできていたのなら良かったです。ボディビル最高!」

スムーズに大会を進めるのみならず、選手の気持ちを高め、観客がボディビルを思いっきり、安心して楽しむ雰囲気をつくりだした雫石&安川アナ。来年のジュラシックカップでも活躍を楽しみにするとともに、他の大会でも、彼らのような存在が現れることを期待したい。

文・写真/木村雄大