SASUKEに旋風を吹かす“速すぎる男” カッコよく動ける肉体はどうつくる?【梶原颯】




44秒17残し。俳優・梶原颯が打ち立てた『SASUKE2024』1stステージの攻略タイムである。番組史上最速記録となったこの記録は、梶原の身体能力の象徴だろう。見せ筋と呼ばれるように、見栄えがする筋肉は使えないという先入観があるが、彼は美しく・動ける体で芸能界を席巻する。その秘訣はどこにあるのか、梶原を直撃した。

【動画】これができたら超人! 難易度MAXの筋トレを梶原が完遂

根底として目指すのは「憧れてもらえる体」

――梶原さんは肉体美を競うボディコンテスト『APF(Asia Physique Federation)』で2021、2022年に優勝を経験。『最強スポーツ男子頂上決戦(スポ男)』や『SASUKE』とった番組でも数々の記録を残してきました。美しさと運動での機能性を両立するために、行なっていることはありますか?

「とくに鍛え分けはしていないです。ベースをつくる筋トレと並行してSASUKEのためのトレーニングをしたり、運動能力を向上させる種目を取り入れるようにしています」

――2017年に放送された『スポ男』(第8回大会)への出場で、肉体派俳優として注目を浴びるようになりました。そして、2022年にはSASUKE(第40回大会)での最速クリアタイムを更新。こういった活躍を経て、体づくりへの意識は変わりましたか?

「そうですね。肉体派俳優と言ってもらうようになって、恥じない肉体というのは意識するようになりました。ただ、とくにSASUKEではぶら下がるような体勢になることも多くて、そうなると体重が重くなると不利なんですよね。筋肉を大きくすればするほどSASUKEのクリア、とくに3rdステージでは足かせになってしまうのはジレンマでもあります。勝つためには洗練された体を目指していかないといけないですね」

――筋トレをしている以上、筋肉を大きくしたい気持ちは本能に近いものがありますからね。

「本当はもっと筋肉を大きくして、ハリウッド俳優のような『デカいマッチョ』が男らしくてカッコいいなと思うんですけど、そこまではできないので機能性との両立を図っています。ある程度細くありつつ、しっかり筋肉がついていて動ける体が理想です」

――普段のトレーニングを教えていただけますか?

「土台としては、全身の部位を4分割してフリーウエイトで鍛えています。胸、背中、腕、脚に分けて、腹筋は時間がある時に入れ込む感じですね。基本的にトレーニングは毎日していて、その中で部位をローテーションさせていきます。これとは別で、SASUKEのための身体能力を高めるトレーニングを取り入れています」

――SASUKEのためのトレーニングとは?

「思い立ったら100mダッシュを10本ぐらいやっています。3日に1回くらい、夜に走りますね。この前、SASUKEが近かったので追い込みたくて、300mダッシュを8本くらいやったら吐きそうになりました(笑)。あとはクリフハンガー(約2.5cmの突起にぶら下がりながら移動し、向こう岸に渡るエリア)のために指だけで懸垂をやったりしてます」

――SASUKE、3rdステージのクリフハンガーは難所として有名ですし、梶原さんも過去に2度ステージクリアを阻まれた鬼門ですよね。

「はい。経験したエリアの中では、クリフが一番難しいと思います。自宅にSASUKE練習用のセットをつくっている常連選手もいるので、お邪魔して練習させてもらうこともあります。どうしても特殊なセットになるので、自宅でできるクリフ対策はやはり指での懸垂や、懸垂バーに指でぶら下がって、少し横に移動するなどになってしまいますね」

――学生時代から行なってきたトリッキング(武術、体操、ブレイクダンスなど、アクロバットな動きを組み合わせたエクストリームスポーツ)のためのトレーニングはどんなことをしますか?

「トリッキングのためのトレーニングは全くしてないですね。むしろ、アクロバットな動きをすることがトレーニングになっている感じです。ジャンプ力の向上につながったり、インナーマッスルが鍛えられたり、メリットがたくさんあると思います」

――それは驚きです。柔軟性もかなり必要だと思うのですが、体はもともと柔らかいですか?

「体は硬いですよ(笑)。お風呂上りに柔軟は毎日やっていますけど、それ以上のことはやっていないですね」

――今は筋トレブームですし、大きさ、美しさ、機能性のように追求する方向性がいろいろあると思います。その中で、梶原さんが目指すのはどういったものでしょうか。

「前提としてあるのは、『憧れてもらいたい』という思いですね。めちゃくちゃ筋肉が大きい人を見ると『すごいな』と思う一方で、『自分にはなれないな』と感じることもあると思います。僕くらいの細マッチョであれば、一般の方にも目指してもらえるかなと思いますし、動けることも憧れにつながると思うので、SASUKEで成績を残すことも大切だと思っています。そういう目標を掲げつつ、これからも理想の体を追求していきたいと思います」

【動画は次のページ】梶原颯のトレーニング&インタビュー