「無理をしない」「完璧を目指さない」ことも大切 健康的な食生活を続けるには?




ダイエットは厳しくつらいもの。そう考えて一歩を踏み出せない人も多いと思います。ただ、そこまでストイックに考えなくてもいいとトレーナーであり管理栄養士でもある山田賢児さんは言います。今回は食事との向き合い方を教えてもらいました。

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ダイエットを成功させるために大切なのは自己管理。これは誰もが理解していると思いますし、その難しさに挫折を味わった人も多いのでないでしょうか。

自己管理の重要性は私も否定しません。実際、それができればダイエットは問題なく成功するでしょう。ただ、アスリートやボディコンテスト選手ならともかく、一般の人のダイエットをサポートする場合、私は「100点満点を目指さないこと」もポイントになると考えています。

「やらなければいけない」「妥協してはいけない」とストイックに考えるすぎと、どうしてもストレスが大きくなりがちです。その反動で、何かの拍子に気が抜けてしまうと食欲が抑えられなくなり、暴飲暴食の末にリバウンドしてしまうケースも多々あります。我慢が続くと不機嫌になって人に八つ当たりしてしまうかもしれませんし、ストレスが原因でむしろ心身の健康を損ねてしまう可能性さえあります。

たしかに適当すぎる生活では結果は出にくいですが、だからと言ってあまり深刻に考えすぎず、気を楽にして続けることも大事ではないかと思うのです。

ダイエットや健康に関する情報は巷にあふれています。それを生真面目に遂行しようとすると、どうしても「ルール」や「制限」にがんじがらめになりがちです。「こんな食べ方をしないといけない」「夜はこれを食べてはいけない」……そんなことばかり考えていては疲れてしまう人もいると思います。

ですから、私は完璧主義を貫くのではなく、少しゆとりを持って成功回数を増やしていきましょうと提案しています。一定の自己管理は当然ながら必要ですが、たとえば「まずは70%くらいできるようにしましょう」といった目標を提案します。そのくらいの設定にしておくと、75%できただけでも達成感があり、自分を褒めたい気持ちが生まれて前向きになりやすくなります。また、目標の70%ができていれば必ず結果もついてきます。それを体験することで「もっと、もっと」と次第に貪欲になり、その結果として75%が80%、85%になっていくのです。

もちろん中には完璧を目指すことがモチベーションになるという人もいます。その場合は、それをストイックに行なえばいいでしょう。しかし逆に「60点でもいいよ」と言われて安心することが前に進むエネルギーになる人もいるのです。実際、もともと10%だった人が65%になったとしたら、それはすごい変化と言えます。ですから何かの大会を目指す人でなければ必ずしも無理をしなくてもいいのです。

健康な食生活をまったく考えていなかった人が、3食のうち1食だけでも気を遣うようになっただけでも導入としては十分。そのうち食事への興味が増していき、どんどん健康食に変化していくかもしれません。私のクライアントに「お菓子を毎日食べてしまう」という方いましたが、「まずは週2回にしてみてください」とアドバイスしました。「毎日続けてください」だと心が疲弊してしまったり、ちょっとした甘えで罪悪感に駆られてしまったりしたと思いますが、ゆとりのある設定だったため何とか続けられたようです。

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通常、健康な人は健康のありがたさを実感しにくいものです。健康に関する話を聞いても、「よし今日から実行するぞ」とは基本的に考えません。そして体を壊して初めて健康の大切さに気づかされるケースも多いので、そうなる前に意識を高めるだけでも素晴らしいことだと言えるでしょう。

たとえ最初は10点でも、20点でも、スタートさえ切れば今よりは良くなっていきます。そのくらいの精神的な余裕を持って目標に向かっていくことも時には大事ではないかと思います。

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