野菜も果物も嫌いです ビタミンやミネラルはサプリメントで摂ればOKですか?




野菜や果物をまったく食べないという人は多いようです。それを補うためのサプリメントも巷にはあふれています。しかし本当にそれで解決できるのでしょうか。管理栄養士の山田賢児さんに回答してもらいました。

(C)siro46_AdobeStock

【動画】食事の基本から筋肉特化の情報まで「筋育栄養学」特別講義

足りない栄養素をサプリメントで補うという考え方は否定しません。足りないよりは健康の維持・増進にプラスであることは間違いないからです。

私自身もビタミンやミネラルなどをサプリメントから摂ることがありますが、やはり摂っていると体の調子がいいと感じます。ビタミンやミネラルは体の調子を整えるだけでなく、神経伝達をスムーズにすることで精神面にもプラスに働きます。また、ビタミンCは風邪の予防にも効果的なので、寒い季節にはより積極的に摂取してもいいでしょう。

ただ、サプリだけに依存してしまうのはオススメできまません。なぜなら野菜や果物にはサプリでは摂取できない栄養素も含まれているからです。代表的なものとしてはトマトに含まれるリコペン、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなどの抗酸化物質が挙げられます。

抗酸化物質は体内の炎症を抑える働きを持ちますが、ビタミンやミネラルに指定されてない成分。植物に含まれるそうした化学成分は「フィトケミカル」と呼ばれますが、上記の他にも人体に有効な働きをする物質を含んだ野菜や果物はたくさんあります。それらは植物が自分の身を守るために備えた物質であり、化学合成されたサプリには含まれていません。やはり純粋な生命力を養うためには生きた食材から摂取することが大切だと言えるでしょう。

ということで、サプリを摂ること自体はいいのですが、それは不足を補うものであってパーフェクトではないという考えを持ち、なるべく多くの食材から栄養を摂ることを意識したほうがいいと思います。

また、一度サプリへの依存心が生まれてしまうと、それがないと不安になってしまうという可能性もあります。新商品が出るたびに次から次へと買いあさり、毎日何種類ものサプリを飲み続けているという人もいるようです。これはコスト的にも大変でしょう。それほど健康意識が高いのであれば、ぜひリアルな食材から栄養素を摂取してほしいと思います。

【動画は次のページ】筋肉と健康のための「筋育栄養学」を解説