お菓子天国と言っていいほど甘いものやジャンクフードがあふれる日本。ついつい手が伸びてしまうのが人のサガと言えるでしょう。そして気がつけば食べ過ぎてしまうことも……。管理栄養士の山田賢児さんにお菓子との付き合い方を教えてもらいました。
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世の中にはさまざまなお菓子があふれています。一度食べることが習慣になってしまうと、なかなかやめられなくなるものですよね。
お菓子を食べることはおなかを満たすというより、精神的な満足感を得ることが目的である場合が多いと思います。ですから、すべてをやめて我慢する必要はないでしょう。
ただ、際限なく食べるというのもオススメできません。厚生労働省が推奨する基準に合わせて言うと、1日の消費エネルギー(基礎代謝)が2000キロカロリーの人の場合、お菓子はそのうちの10~20%(200~400キロカロリー)にとどめておくのがいいとされています。
これは板チョコなら約1/3、クッキーなら2~3枚、ポテトチップスなら小袋の半分くらいに相当します。もっと食べたいという場合は、1回の摂取を増やすのではなく2回に分けたほうがいいでしょう。ダイエットが目的なら1日1回にしておきたいところですが、1日2回までは許容範囲です。ジュースのように糖分を豊富に含む飲み物も同じくらいの目安で考えておけばいいと思います。
なぜ200~400キロカロリーに抑えるべきかと言うと、お菓子による摂取カロリーが増えることでトータルのエネルギー摂取量におけるタンパク質の割合が減ってしまうからです。そのぶん糖質や脂質が増え、栄養バランスは崩れてしまいます。タンパク質は細胞の合成などに欠かせない栄養素ですから、それが減ってしまうのは大きなマイナスです。お菓子は栄養補給というより楽しむものなので、栄養バランスを乱してまで食べるものではないという位置づけにしておくべきでしょう。
なお、200~400キロカロリーというのは、トータル2000キロカロリーを上限とした場合。食事で2000キロカロリーを摂取した上にお菓子を1000キロカロリー食べてしまったら、そのぶん体脂肪が増えていくことになり、健康を害する道に進んでしまうので要注意です。
では、足りない栄養素をお菓子で補うという考えは成り立つでしょうか? スポーツなどでも羊羹などを捕食として摂取し、短期的なエネルギーを確保するというケースはあります。このように目的に合っていれば効果的と言えるでしょう。カステラやグミなら糖質やタンパク質が補給できますし、肉類が挟んである惣菜パンならより多くのタンパク質を得ることができます。
ただ、ほとんどのお菓子は主に糖質と脂質がメイン。そのことは摂取する際にしっかり理解しておくべきでしょう。とくにダイエットを目的としている人は、ケーキのように高カロリーのものは食べないほうがいいことは言うまでもありません。また、トランス脂肪酸を含むお菓子も多いので、やはり200~400キロカロリー程度の摂取にとどめ、食べ過ぎには注意したほうがいいでしょう。
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