YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、若手を中心に絶大な支持を得る吉岡賢輝選手です。
年々増す筋肉の密度
今回は日本ボディビル界若手のホープであり、カリスマ的存在である吉岡賢輝選手について紹介していきます。
吉岡選手の一番の強みは、なんといってもその上腕三頭筋です。筋腹が短くて外側頭が非常に発達しているので、三頭筋のピークがありえないぐらい高いんですよね。特に、サイドトライセップスのポーズをとった時の見栄えに関しては、歴代トップの選手だと思います。肩から脚が生えているんじゃないかと思うぐらい、本当に腕が太い選手です。
ウエストの細さも大きな強みで、ご本人がXでおっしゃっていた話だと63cmしかないらしいです。これって、平均的な女性のウエストよりも細いんですよね。この極限に細いウエストから広がるとんでもなく巨大な上半身と、しっかり幅感のある下半身が特徴で、Xシェイプに関しては現代ボディビルの最高傑作と言っても過言じゃないぐらい強い選手だと思います。
一方で、吉岡選手の弱点は、仕上がりと大腿四頭筋のカットだと思います。身体のタイプ的には、先日紹介した須山翔太郎選手と似ていて、水分量によって筋肉がすごく膨らみやすいタイプのように思います。体重以上に大きく見える見た目が吉岡選手の一つの強みではあるのですが、やはりこのタイプの選手は、最終調整の部分でパリパリの質感が中々出にくく、その点で苦戦されているような印象がありますね。
日本ボディビル選手権においては、初参戦でいきなり12位に食い込むという超高成績を残されました。しかし、翌年からは3年連続10位になっており、順位が上がり切らないのは、その仕上がりにあるのではないかと思っています。
また、もう一つの弱点は、大腿四頭筋のカットですね。内側広筋、外側広筋についてはしっかりと発達していて、特にバックポーズをとった時の足の幅、サイズ感は目を引きます。背中に関しても、しっかりと凹凸感のある選手で、ウエストが細いことにも起因して、バックポーズは非常に強い選手だと思います。ただ、おそらく大腿直筋が弱点になっていることから、四頭筋のカットの深さは弱点になっている選手で、この部分が改善されるだけでも、かなり吉岡選手の評価は上がるんじゃないかと思います。
とはいえ、上半身も下半身も筋肉の詰まり度合いは年々増してきていて、仕上がりという部分を除いても吉岡選手はもっと上に行けるんじゃないかなというぐらい、異次元の領域に入ってきていると思います。
（後編に続く）
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