YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、“戦慄の豆タンク”こと杉中一輝選手です。
ジュラシック木澤の元で一気にバルクアップ
杉中選手の特徴は何と言ってもその筋密度です。身長158cmながら仕上がり体重は72kgと、もう化け物と言っても過言でないほどのとんでもない筋肉量を搭載しています。物凄いバルク派ではあるのですが、最初からそうだったというわけではなく、2019年から2021年の2年間で大きな変化があったようです。
その大きな変化とは、師匠である木澤大祐選手との出会いです。木澤選手が運営するジュラシックアカデミーのトレーナーとして働き始めてからトレーニングの質が変わり、2年間で仕上がり体重がプラス8kgにもなったそうです。2019年の時点でも三重県ボディビル選手権で優勝と高成績を残されていましたが、そのバルクアップぶりと筋肉量の充実度は、誰だか全くわからなくなるほどの変化でした。
そんな杉中選手の最大の強みは、大腿四頭筋のサイズです。深いカットを備える選手ではあるのですが、それ以上にパンパンに詰まった四頭筋が目を引きます。バックから見た時の張り出しも強烈で、ハムケツの仕上がりもハードな上に、背中の凹凸感も非常に良いものを持っているので、バックポーズは杉中選手の強みだと言えます。
上半身の全体的な筋肉の密度感は非常に高い一方で、肩腕のサイズや胸の面積に関しては、他の部位に比べると、少し弱点になっている印象があります。筋密度の観点から見ると、杉中選手はボディビルを象徴するような身体をされていますが、弱点部位の見え方次第で審査員によって少し好みが分かれる身体なのかなと思います。
ただ、僕が見る限りは、ポージングが上手いこともあって、特にフロントダブルバイセップスの全体的なプロポーションはかなり良く見えます。腰の切り方が綺麗で、自分の身体をより良く見せる技術に長けた選手だと思います。
(後編に続く)
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