まるで二頭にラグビーボール! 175cm・90kgの人類とは思えぬ圧倒的バルク~扇谷開登(前編)【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、“ホモサピエンスの最高傑作”として注目を集める扇谷開登選手です。

【フォト&ムービー】扇谷選手のステージショット集

超人的バルクを輝かせるドライな質感

扇谷選手の特徴は、その圧倒的なバルクです。身長175cm、仕上がり体重90kgというホモ・サピエンスとは思えない筋肉量を搭載しており、数値的な筋量はもちろん、見た目においてもここまでバルクがある選手は歴代でもそういなかったのではないかと思います。

とんでもない肉体の中でも、特に目を引くのが上腕と背中です。上腕囲は脅威の51cmで、特に二頭筋はラグビーボールが入っているのではないかと思うほどの丸みとサイズをされています。背中については、凹凸感に加えて桁違いの筋密度を備えており、バックポーズを取ったときの迫力は現役トップクラスだと思います。昨年の日本選手権では、初出場ながらバックポーズで他を圧倒していました。

そして、この唯一無二のバルクをさらに輝かせているのが質感です。ボディビルにおける質感とは、バスキュラリティ(血管が浮き出た状態)や筋肉が張り付くような薄い皮膚感、身体の張りなどの総称で、簡単に言えばどれだけ筋肉が浮き出ているかを表すものです。扇谷選手はこの質感が非常に良く、巨大な筋肉をより際立たせているため、さらにデカく見えるんです。一般的に年齢が若いほど、水っぽくなったり、筋肉の輪郭が出にくかったりする例が多いですが、扇谷選手は27歳という若さで類稀なドライ感を持ち合わせており、この年齢でここまでの質感を出せている選手はかなり珍しいと思います。

一方で、身体の改善点を挙げるとすれば、上半身と下半身のバランス、そして大胸筋の厚みだと思います。下半身に関しては決して弱点というわけではなく、むしろ大腿四頭筋のカットの深さやハムストリングスの厚みは強みと言える選手です。しかし、上半身がデカすぎるということもあり、下半身とのバランスを整えるとなると、もう少し脚のサイズアップが必要になってくると思います。

大胸筋についても弱点というほどではありませんが、フレームが大きいため、厚みが出しにくいタイプのように思います。特に、上半身の立体感を出すには大胸筋の厚みが不可欠であり、ここが改善されれば、さらに見栄えが良くなるのではないかと思います。

(後編に続く)

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