骨格筋評論家のバズーカ岡田氏をして「歩くダビデ像」と言わしめた筋肉美を搭載する五味原領。彼は2023年のIFBB世界選手権において、クラシックボディビル168cm以下級で世界一を獲得。2024年も7月のアジア選手権で優勝、9月の日本クラシックフィジーク選手権でも3度目の優勝をはたすなど、輝かしい成績を残してきた。
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そして2024年12月、日本開催となった「IFBB男子ワールドカップ」では、クラシックフィジーク171cm以下級で優勝。身長の垣根を越えたオーバーオール審査でも優勝をはたす快挙を見せた。そんな裏で、彼は己と戦うシーズン終盤を過ごしていた。
「11月にジム(Fitness Lounge Sync)を開業したことで、仕事の面で大きな環境の変化がありました。競技は休んで仕事に集中しようと選択できる場面はいくつもあったのですが、大会出場を決断できた自分を褒めてあげたいと思います。優勝できたことはもちろんですが、世界選手権に出ても恥ずかしくない体をつくれたことが自信につながったと思います」
体づくりの面では、これまでも指導を仰いできたボディビル界のレジェンド・鈴木雅の教えをもとに、基礎に立ち返ったトレーニングや体の機能改善を中心に取り組んできた。食事などコンディション調整は大きく変えることはなく、継続に重点を置いてシーズンを走り抜けた。
「今まで、アジア選手権や世界選手権での階級優勝はあったのですが、オーバーオール優勝を獲れたのは今回が初めてでした。それこそ、大会で初めて優勝できた時のような喜びがありましたね。今までの国際大会では、オーバーオール審査で負けてしまうのが悪い意味で当たり前になってしまっていたので、その壁を越えられたのは大きな前進でした」
現在は大会オフシーズン。今年は筋量を増やし、身長の高い海外選手にも迫力で劣らないボディを目指したいと意気込んでいる。飽くなき向上心を胸に、日本が誇る“歩くダビデ像”は挑戦を続けていく。
「一番の目標は自分の体を成長させることです。ステージで魅せることは自信を持っている部分なので、体づくりの面を向上させてさらに一段上のステージにしたいです。国内でも海外でも勝負に絶対はないですけど、毎年どんな状態でも勝負を続けていれば、結果は舞い込んでくると思っているので、これからも続けることを大切にしていきます」