日本ストレッチング協会理事長・長畑芳仁先生に部位ごとのストレッチを解説していただく本企画。今回は大腿筋膜張筋にスポットを当てます。
太ももの外側を走る大腿筋膜張筋は、股関節とヒザ関節をまたぐ薄く長い筋肉。2つの関節に関わっていることもあり、日常動作やスポーツ動作でストレスがかかる機会も多くなります。股関節のさまざまな動きに関与し、とくにO脚や変形性ヒザ関節症を持つ方には負担がかかりやすくなります。また、ランニングなどを日常的に行なっている方はこの筋肉が硬くなりやすく、ヒザの障害などにも結びつくことがあるようです。
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大腿筋膜張筋は、中殿筋(お尻の筋肉)のストレッチをベースにしたアプローチで伸ばすことができます。中殿筋は歩行動作や立ち姿勢に影響する重要な筋肉なので、合わせてしっかり伸ばしていきましょう。
【エクササイズのポイント】
(中殿筋、大腿筋膜張筋のストレッチ)
➀壁に手をついた体勢からスタート。
②片脚を前に出し、クロスさせます。前脚のヒザはやや曲げます。壁に向かって真横に体重をかけると中殿筋が伸びます。
③そこから体重のかけ方を変えると、大腿筋膜張筋もストレッチできます。腰を少し捻りつつ斜め前方に押し出すイメージです。足裏を床にべったりつくようにして行ないます。太ももの付け根あたりの伸びを感じられればOKです。
大腿筋膜張筋は体への影響が大きい割に、ケアを見逃しがちな筋肉でもあります。動画も合わせてチェックし、柔軟性を高めていきましょう。
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