伝統スポーツに勤しむ「インドネシア女子」
インドネシアは世界最大のムスリム国でもある。イスラム教と言えば、とかく女性を抑圧しているイメージがあるが、ことこの国に関しては、女性はいい意味で開放的だ。
ジャカルタから東へ800キロ。東部ジャワの中心都市スラバヤはかつて貿易の中心地として日本人街もあったところである。この町の南郊に位置するスラバヤ州立大学はスポーツに力を入れ、広大な敷地には、ゴルフ練習場に体育館、陸上競技場が備わっており、放課後になると若者たちが各種スポーツに精を出している。
キャンパスの端にある競技場を訪れると、この国の伝統格闘技、プンチャック・シラットのクラブが活動していた。その練習風景にカメラを向けると、メンバーの大多数を占める女子たちが集まってきてポーズを取り始めた。聞けば近隣の高校の生徒だという。尻込みする男子部員をほったらかしにして、どこから来たんだなどとこちらを逆取材してくる。イスラムのイメージとはうらはらに、こと若い女子に関しては、非常に積極的な印象を受ける。
その天真爛漫な表情は、いざ練習に入ると真剣なまなざしに一変する。グループでの演技に入ると一糸乱れぬ動きを見せていた。
社会全体が豊かさを実感する中、インドネシアは今後スポーツ、フィットネスの面でも発展を遂げていくことだろう。
文・写真/阿佐智