YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、“ジュラシック”木澤大祐選手です。
【フォト&ムービー】木澤大祐選手の日本選手権2024ステージショット集
49歳とは思えぬ圧巻の筋肉量と迫力
ボディビル界のレジェンドであり、ジュラシックの愛称で親しまれている木澤大祐選手ですが、その由来は恐竜を思わせるような圧倒的な筋肉量にあります。身長170cmにして仕上がり体重は脅威の80kg越えと、数値的に見ても人間離れした筋量を搭載しているのはお分かりいただけるかと思います。
中でも、上腕二頭筋と僧帽筋のサイズは日本トップクラスです。「木澤さんの二頭筋は日本一ピークが高い」と、もはや業界内の一般常識レベルで浸透しているほどです。筋腹が長い上に、ピークが高いため、丸みを通り越して尖った三角形のような二頭筋をされています。僧帽筋は上部と中部が特に発達しており、バックラットスプレッドを取った時の隆起と迫力は、とてつもないです。マスキュラーポーズでも僧帽筋の凄まじさが表れており、本当に恐竜のような見栄えになっています。
一方、明確な弱点もあります。それは、背中の広がりと大胸筋です。フロントから見た時の広がりは顕著な弱点となっており、広げるタイプのポーズが苦手なことも関係しているのではないかと思います。大胸筋は、特に下部が弱点とされていましたが、全体のサイズは改善されてきているような印象があります。
長年、ポージングについても弱点と言われていた選手ですが、昨年の日本選手権ではバックポーズにおいて大きな変化がありました。木澤選手は、僧帽筋の感覚が良いためか、バックダブルバイセップスを取った時にかなり背中の中央に力が入っていました。このポージングだと背中の細かいカットは出やすいのですが、その分の広がりは失われているように見えました。ところが、昨年の木澤選手は、例年通りの細かいカットは出しつつも、大円筋までしっかりマッスルコントロールすることで広がりが追加されており、今までにない迫力がありました。
ここからは木澤選手現役最後の日本選手権についてお話しします。昨年、木澤選手は引退を宣言されており、レジェンドのラストイヤーに多くの方が注目していました。そんな中、一昨年まで絶対王者として君臨していた相澤隼人選手がなんと欠場を発表したのです。王者不在によって、最後にして最大のチャンスが巡ってきました。しかし、迎え打つは同じ表彰台の常連である嶋田慶太選手。さらに、凄まじい勢いで世代交代を狙う若手ビルダー達の存在もあり、2024年日本選手権は歴史的な大混戦となったのです。
後編では、木澤選手ラストイヤーの結末についてお話ししていきます。ほとんどの方がご存知だと思いますが、ボディビル初心者やあまり詳しくないという方にこそ、ぜひ読んでほしいです。お楽しみに!
(後編に続く)
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