凄まじく筋繊維浮き出る大臀筋と圧倒的完成度! 一時代を築いた日本選手権9連覇王者~鈴木雅(前編)【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、日本選手権9連覇を誇る伝説のチャンピオン、鈴木雅選手です。

【ムービー】「肩メロン」をつくり上げる鈴木雅の肩トレ

洗濯板のようなガタガタの臀部

鈴木選手の特徴は、圧倒的な完成度です。全身余すことなく丸みを帯びた圧巻の筋肉に加えて、臀部までパリパリに絞れた完璧とも言える仕上がりを併せ持っており、他を寄せ付けない完成度の高さから「歴代最高のチャンピオン」と称されることも多いです。

どの部位においても日本トップクラスの一級品を備えている鈴木選手ですが、中でも強みになっているのが三角筋・広背筋・大臀筋です。三角筋はフロント・サイド・リアが均等に発達しており、サイドポーズを取った時の三角筋は、まさしく「肩メロン」と言った丸みをされています。

広背筋と言えば、垂れ下がるほどの筋肉量を搭載する須江正尋選手が有名ですが、鈴木選手は厚みにおいて、その須江選手をも上回るのではないというほど強烈な背中をされています。分厚い座布団を背負っているかのような広背筋によって、バックポーズの筋密度は異常とも言えるレベルに達しています。

そして、鈴木選手の最大の強みが大臀筋です。サイズもさることながら、仕上がりのハードさからくる筋繊維の浮き出方は本当に凄まじく、洗濯板以上にガタガタしたお尻をされています。鈴木選手が活躍されていた2010年代において、全身がデカくて、臀部にストリエーションが入るほど絞れている選手は珍しく、当時の審査員にとって鈴木選手のバックポーズは、一際目を引く存在感があったのではないかと思います。近年では、「臀部にストリエーションが入ること」が仕上がりを評価する上での一つの指標になっており、鈴木選手がボディビル界に及ぼす影響力の高さが伺えます。

2004年に東京オープン(現在の東京ノービス)で大会デビューした鈴木選手は、翌年の東京選手権優勝を皮切りに、日本選手権でも着実に順位を上げていきました。そして、2010年に初優勝を果たします。以降は、強烈な仕上がりとバランスの良さ、筋肉の丸み等を武器に、小沼敏雄選手に次ぐ9連覇という大記録を打ち立てます。連覇中にも完成度の高い体は進化を続けていましたが、ある年の鈴木選手の肉体は、人類の想像を絶するようなものでした。

後編は、鈴木雅が日本ボディビル史上最強の肉体を披露した2016年の日本選手権について語り尽くします。お楽しみに!

(後編に続く)

▶次ページ:鈴木選手のステージフォト&トレーニングムービー

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