忙しい現代人は、朝食・昼食・夕食を計画的に摂るのも簡単ではないでしょう。体のリズムを整える上では、3食の時間をしっかり決めておいたほうがいいのでしょうか。そんな疑問を管理栄養士の山田賢児さんにぶつけてみました。
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朝・昼・晩の3食(人によっては2食かもしれませんが)の時間がバラバラという人は、現代社会には多いのではないでしょうか。そして、それは一般的にあまり良くないことと考えられているように思います。
私はパーソナルトレーナーでもあるので、基本的にはトレーニングや体づくりにプラスになる栄養指導を行なっています。ただ、その場合は目的によって食事の仕方も変わってくるので、今回は管理栄養士として一般的な視点で回答をさせていただきたいと思います。
いろいろな考え方があるとは思いますが、私は必ずしも食事の時間が一定でなくてもいいと思っています。それよりも栄養のバランスが取れているかどうかを重視しているからです。
たとえば仕事の種類によって、夜中や早朝から動き出す人もいます。そうなると午前3~4時が朝食ということになるでしょう。一方、お昼くらいまで寝て午後から夜にかけて働く人もいます。その場合は一般的に昼食とされる時間が朝食になるかもしれません。
このようにライフスタイルによって起きる時間もバラバラなので、食事の時間も一定にはなりません。これは必ずしも現代に限った話ではないと思います。ですから、それぞれが起きて最初に摂る食事を朝食とすればいいのではないでしょうか。
起きた後に食事を摂ると、その日を元気に過ごすためのエネルギーが獲得できます。体温が上がり、交感神経が活性化し、代謝も盛んになります。そうして活動的な体の状態になれば、仕事や学業のパフォーマンスが高まる可能性もあります。それが朝食の大きなメリットでしょう。
朝食をしっかり食べるには、夜寝ている間に胃腸が適度に休息している必要があります。ですから、よく言われるように寝る前ギリギリの夕食はマイナスになると思います。食べる時間帯は気にしなくてもいいと思いますが、就寝の2時間くらい前には食事を終えておいたほうが朝食を美味しく食べられるでしょう。
昼食は、朝食と夕食の間でおなかがすくタイミングで摂ればいいと思います。通常、満腹状態では次の食事を摂りたいと思わないので、おのずと時間が定まるのではないでしょうか。
前述したように、問題は時間よりもその内容です。三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)やビタミン、ミネラルなどを中心に、1日の栄養摂取のバランスには気をつけてほしいと思います。
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