大木のような大腿四頭筋! 無類のプロポーションとインパクトを誇る筋肉の天才〜横川尚隆(前編)【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2019年日本選手権優勝の横川尚隆選手です。

【ムービー】ジュラシックカップのゲストポーズに登場した横川

歴代最高クラスの大腿四頭筋

テレビ番組ではおバカ筋肉キャラとして活躍している横川選手ですが、ボディビル業界では「天才」と称され、誰もが知るあの伝説のフリーポーズは、YouTube上で813万回(2025年3月時点)というボディビル関連の動画では考えられない再生回数を記録しています。

そんな横川選手の強みは、大木のような大腿四頭筋です。おびただしい数のカットに加えて、付け根から飛び出すような四頭筋のサイズは歴代トップクラスです。水分量で体が物凄く膨らんで見えるタイプで、裏を返せば質感が弱点とも言える選手ですが、自身の弱点をものともしない深く刻まれたカットには惚れ惚れします。

他にも、周囲50cmを誇る上腕や凹凸感が素晴らしい背中等も強みですが、横川選手を含む歴代王者に共通することとして、弱点の少なさとバランスの良さが挙げられます。ボディビルは減点方式で評価する競技のため、特別秀でている部位があるからといって勝てるわけではありません。チャンピオンになるのは決まって、減点対象が少ない選手が多いです。横川選手の場合は、強力な長所を持ちつつも、弱点の見当たらない美しいプロポーションが最大の強みと言えるでしょう。

インパクトの大きさとプロポーションの良さが武器の横川選手ですが、ポージングやステージングも非常に魅力的です。終始、余裕のある表情でのポージングやステージ上で時折魅せる観客を煽るような行動は、会場中を虜にするほどのカッコ良さがあります。

中でも有名なのが、巨大で筋質の良い大腿四頭筋を使った「クワッドスタンプ」です。かつてMr.Olympia(ミスター・オリンピア/ボディビル世界一を決める大会)で活躍していたジェイ・カトラー選手が始めたもので、四頭筋をブルブル揺らしてから踵を地面に叩きつけて脚のカットと迫力を最大限アピールする技です。人間とは思えないサイズと飛び出すようなカットが生み出す迫力は圧巻で、第1回ジュラシックカップでのゲストポーズでは、クワッドスタンプを披露した瞬間、地響きのような歓声が湧き起こりました。

後編は、ボディビルデビューからわずか4年で日本王者となった横川選手の軌跡についてお話しします。お楽しみに!

(後編に続く)

▶次ページ:横川選手のステージフォト&ムービー

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