筋トレ効果を高めるには、トレーニング後30分以内にタンパク質を摂るべき?




筋トレ後はなるべく速やかにタンパク質を摂取したほうがいいと言われます。それはなぜでしょうか? また、その機を逸すると筋トレ効果は半減してしまうのでしょうか? パーソナルトレーナーで管理栄養士である山田賢児さんに聞きました。

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【動画】キーワードは“朝タン” 筋肉を育てるタンパク質の摂り方

筋トレをした後はなるべく早くタンパク質を摂取したほうがいいと言われます。トレーニーやアスリートはこれを「ゴールデンタイム」と呼びますが、その時間は30分程度とされることが多いです。

実際、トレーニング直後には成長ホルモンの分泌が盛んになることがわかっています。この間は脂肪の分解が進むとともに筋線維の合成も促されるので、そのタイミングに筋肉の材料となるタンパク質(アミノ酸)が体内に十分に存在していることは重要です。

とはいえ、トレーニング後に摂取したタンパク質が即座に筋肉の材料になるわけではありません。そこで実際に使われるのは、あらかじめ体内に貯蔵されていたタンパク質です。つまり、つねに十分なタンパク質が補給され、それによって血中アミノ酸濃度が高い状態が保たれていれば、必ずしもゴールデンタイムを強く意識する必要はないと言えます。

一方、BCAA(分岐鎖アミノ酸)のひとつであるロイシンという物質が、トレーニング後の筋肉の合成を促すという研究報告があります。ですから、何らかのサプリメントをトレーニング後に摂取するのであれば、むしろロイシンの代謝産物であるHMBやBCAAを摂ったほうがいいかもしれません。

いずれにしても筋肉を増やすために重要なのは、体内に常時タンパク質を貯蔵しておくこと。そのために日々の食事に気を遣うことがポイントです。どんなに上質なトレーニングができても、タンパク質が不足していれば努力に見合った筋肉はつくられません。

ところが、トレーニングに慣れていない人ほど、日常的にタンパク質を摂取できていない傾向があります。そういう場合は、トレーニング後にプロテインなどで補ってもいいでしょう。それがタンパク質摂取のひとつの動機になる可能性もあります。成長ホルモンの分泌は48時間ほども続くというデータもあるので、タンパク質摂取を日常に取り入れるために「筋トレをしたらプロテイン」を習慣にするのもアリだと思います。

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